お尻、太もも、ふくらはぎの痛みにはいくつかの種類があります。一つは腰からくるもので、坐骨神経痛、梨状筋症候群、椎間板ヘルニアといったものがあります。屈折するときや動きによって痛みが起こり、症状によっては腰は痛くなくてもふくらはぎが痛いというようなことがあります。無理な労働で腰を痛めた方や、長い間座る職業の方などによくみられます。冷えがさらに痛みを強くする場合もあります。
もう一つは特に女性に多いもので、お尻だけでなく太もも、ふくらはぎがズキズキする、トイレに腰をかけたときなどにジーンと痛む、生理中や生理後に痛みが増すようなことがあります。これらの多くは冷えからくるもので、お尻が冷えているだけでなく、骨盤内の冷えも考えられます。血液の循環が悪く、足先までしびれたように痛むこともあります。生理痛、生理不順、不妊など、冷えは万病のもとといえるでしょう。腰痛もある方はひどくならないうちに鍼灸などの治療をおすすめします。血液の循環が悪いためにおこる不調を治す方法をいくつかご紹介しましょう。
適度な運動:椅子に長時間座って夢中になって仕事をしてはいませんか? 約20分毎に立ち上がって歩く、伸びをすることも必要です。体の根幹を鍛えるヨガ、ピラテスなどもお勧めです。歩く、泳ぐこともとてもよいです。Therapeutic Swimmingのようなクラスは水中の運動なので腰の悪い方にもよいでしょう。
マッサージ:自分で自分の体をマッサージしたことはありますか? 臀部をぐりぐり押してみてください。押して少し痛むけれど気持ちのよいところがあるはずです。それからとても大事なのが第2の心臓とよばれるふくらはぎです。長時間の立ち仕事で足が疲れている人は足がつることもあるでしょう。内側と外側を骨に沿ってしごくようにもんでください。体がポカポカしてきます。
お風呂:アメリカにいるとなかなかゆっくり入浴できませんが、腰湯ならなんとかなりますね。あまり熱すぎないお湯に15〜20分ゆっくりつかってください。時間のないときはくるぶしから下だけでもよいです。
それでも良くならない場合は鍼治療をおすすめします。鍼は血液だけでなく気のめぐりもよくします。鍼は経絡全体を整え、腎臓系、膀胱系、胃経、脾系 肝系などを治療していくことになりますから、冷えだけでなく体全体のバランスを整えます。また鍼灸師は漢方薬の調合ができる資格をもっているので、鍼治療の間に漢方薬で血を強く、血管を強く、そして循環を良くします。何事も早期治療が大切。薬だけに頼らずに自分の健康は自分で、そんな年にしていきましょう。