最近、30代、40代で似たような症状を訴える患者さんが増えています。1日のうちスマホ、タブレット、パソコンで長時間うつむいた姿勢になっているということはありませんか? 長時間下を向くことにより、本来喉仏辺りを頂点に弓のように後ろカーブしていなければならない頸椎(首の骨)がまっすぐになってしまったり(ストレートネック)、逆カーブになってしまいます。
頸椎に正常なカーブがあれば、頭の重みはそのカーブによって均等に分散されます。ところが頸椎にカーブがないと、頭の重みが直接首回りや首の付け根の靭帯や筋肉にのしかかってきます。肩こりとは首回りや首の付け根の靭帯や筋肉が異常に働いて凝り固まった状態になることなのです。
頭痛も同じく頸椎に正常なカーブがないと起こる現象の一つです。首回りの靭帯や筋肉が固くなると頭蓋骨に繋がる靭帯や筋肉にもテンションがかかり、また、背骨の後ろを通っている脊髄神経にもテンションがかかるため、頭痛を引き起こすことになります。頸椎上部の神経は顔や頭に繋がっているため、耳鳴りやめまい、顔や頭皮のしびれ、目のかすみ、吐き気などの症状を訴える人もいます。
頸椎に正常なカーブがない場合、肩こりや頭痛の原因になるばかりでなく、年齢と共に椎間板が薄くなり、神経根を圧迫して、腕から手にかけて痛みやしびれを感じたり、動作障害を起こすようになります。ですから、そうなる前に頸椎にカーブをつける治療をお勧めします。カイロプラクティックには様々な治療法がありますが、頸椎にカーブをつけることができる、CBP(Chiropractic BioPhysics)という治療法が有効とされています。CBP治療では通常2カ月前後の通院で肩こりや頭痛が治ります。通院で首のカーブが完全につかなくても、自宅で簡単なホームケアをすることによって再発を防げます。
また、日常生活で頭を前に傾ける動作や姿勢を改善することも大切です。姿勢を正して、スマホやパソコンのモニターを目の高さまで上げて使うことは必須です。仰向けで寝る場合は、枕なしで寝るかTri-Core Pillowと呼ばれる枕などを使うといいでしょう。