小池 通輝(こいけ・みちてる)DC, DACNB, ATC
 パーマーウエスト大学卒。ベイエリアの日本人で唯一、また世界でも少ない「カイロ機能神経学専門医」に認定されているカイロプラクター。NATA公認のアスレチックトレーナーでもあり、機能神経学と共にスポーツ医療にも力を入れている。臨床栄養学に基づいた食事療法、デトックス(解毒)やプロバイオティックなどのサプリメントの推奨、最先端の生化学検査を用いた隠れアレルギー検査、ホルモンバランス検査なども行っている。
軽い荷物の積み下ろしで腰が痛くなりました。 その後も腰の上の方が痛むのですが、どうすれば良くなりますか?
 腰の上の方というのがどこを指しているのかはっきりとはわからないのですが、腰回りの背中のポコッと骨の出っ張っているところ辺りであれば仙腸関節を、もっと上の方であれば腰椎の椎間関節かもしくは腰の骨同士をつないでいる小さな筋肉、骨盤の骨と肋骨を繋いでいる腰方形筋のあたりを痛めているのではないかと思います。
 一昔前であれば腰を痛めたりした時に医者に行くととりあえず絶対安静と言われたりしていましたが、最近ではその考え方は変わってきています。完全に安静にしてしまうよりも、強い痛みが出ないようであればできるだけ早い段階から普段通りの生活をしたほうが、症状も早く回復するし、再発の恐れも少ないということが分かってきたので、ガイドラインでもそのように推奨するように変わってきました。もちろん腰に痛みが走るような動きや過度に腰に負担がかかるような動作は避けた方がよいですが、大丈夫な範囲であれば怖がらずに普段通りの生活を心がけてみてください。また、今回のような腰痛であればカイロプラクティックや鍼灸による治療、筋・筋膜療法などが効果的であると思います。
 あと荷物の積み下ろしの時に腰を痛められたのであれば、普段の物を持ち上げたりする時の身体の使い方がよくない可能性があります。言葉だけで説明するのが難しいのですが、背中が丸まった状態で地面にあるものを持ち上げたりすると、背骨と背骨を繋いでいる小さな筋肉に負荷がかかってしまい腰を痛める可能性が高くなります。うまく股関節を折りたたんで(ヒップヒンジといいます)、背中を丸めることなく腰回りの背骨の自然なカーブを維持したまま屈むことが出来ると、お尻や太ももの裏の大きな筋肉を使って物を持ち上げることができるので、腰や背中にあまり負担がかかりません。身体の使い方に問題があるのであれば、今回の症状が治まってもまた同じことを繰り返す可能性があるので、気を付けてみてください。
 今回の腰を痛めたのをきっかけに、ただ痛みを治すだけでなく自分の身体と向き合って生活習慣や普段の身体の使い方を見直すことで、怪我に対してプロアクティブに、将来的により痛みなどの不具合が起こりにくくすることができると思います。

(BaySpo 2017/03/10号 掲載)
有澤保険事務所

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