マラソンをされている方で足や膝、股関節などのトラブルに悩まれる方は多くいらっしゃいます。走っていて土踏まずの部分が痛くなるのであれば足底筋膜炎という疾患を患っている可能性が高いです。
かかとの骨と足の指の骨を繋ぎながら足の裏全体を包んでいる足底筋膜という結合組織があるのですが、この足底筋膜が微細断裂を起こして炎症を起こしている状態を足底筋膜炎といいます。一般的にまだ足底筋膜と呼ばれていますが、実際には筋膜ではなく腱に近い組織であることが分かってきたので、最近では足底腱膜炎とも呼ばれます。よく痛みが出る部分としては足底腱膜の付着部であるかかとの骨の内側の部分、内側よりのちょうど土踏まずの真ん中の辺り、あともう少し足の指の方に近い足底腱膜の付着部分などがあります。
カイロの治療で改善可能かどうかというご質問ですが、もちろん100%ではありませんが可能だといえます。特に走っている時に右足だけに痛みが出てくるのであればただ足の裏だけを治療するのではなく、身体全体のバランスを整えたりランニングフォームを見直す必要もありますので、そういったことを総合的に診断できる場所を探されることをお勧めします。ただ足底腱膜炎は適切な処置なく放っておくと何年かかっても治らないことや、治療をしたとしても完治までには時間がかかることもある疾患でもあります。余りにも炎症が強く痛みが取れないような場合は、ステロイド注射で強制的に炎症を抑える治療が選ばれる場合もあります。ただその場合でもそれは痛みを取り除くだけで、もともとそこに痛みが起こった原因を取り除くわけではないので、カイロなどの治療と平行して行われることをお勧めします。
よく冷やしたほうがいいか温めた方がいいかと聞かれますが、専門家の中でも意見が分かれるとは思うのですが、僕個人としては足底腱膜炎であれば温めることをお勧めします。そもそも足底腱膜炎になるのは足底腱膜が硬くなって弾力性を失っていることが大きな要因であり、足底腱膜炎がなかなか治らない利用の一つとしては、筋というより腱に近い組織のためもともと余り血液の巡りが良くないために組織の修復が遅いという事も挙げられるので、温めた方がより良い効果を期待できるのではないかと思います。