有子Gower, LA.C. CPA
Golden Gate University 会計学学士。明治鍼灸大学バークレー校にて伝統中医学修士。日本にて東レ(株)、Du Pont Japanに勤務。渡米後CA州の公認会計士として大手監査法人にて監査、税務業務。2002年CA州の鍼灸師資格を取得、SF日本町にJapan Town Acupunctureを開業。鍼灸、漢方薬師。気功、霊気なども治療に取り入れている。表千家茶道講師の顔も持つ。
花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、喉の違和感などの症状は 鍼灸で改善しますか?
 鍼灸がアレルギー疾患に効果があるか、とはよく聞かれる質問です。アレルギー疾患にもいろいろあり、ご質問の花粉症のほかにアトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻炎などもその中にはいります。これはなんでもないものに体の免疫が過剰に反応して症状を起こすもので、かなり多くの人が苦しんでいます。
 西洋医学では抗ヒスタミン剤でくしゃみ、鼻水などを抑えることができますし、ひどいときはステロイド系の薬で症状を抑えることができます。しかしこれは単に対症療法でしかないのです。それでは東洋医学ではどうするかということをご説明しましょう。
 特に最近アレルギー症の人が増えてきたその裏には、食生活や環境からの体質への影響が原因となっていることが多いです。特に昨今、わたしたちもアメリカにおりますと、乳製品のとりすぎ、魚介類不足、食品添加物の増加といった食生活、また環境面でもどうしても大気汚染や公害といったものの中で生活しているわけで、体が中医学の邪を受けやすくなっています。これは「風、湿、熱、寒、燥」といった外邪ですが、たとえば冷たいもののとりすぎ、飲みすぎなどによって体に「湿」がたまりすぎることがあります。それが鼻水、かゆみ、痰などの原因をつくるわけです。ですから、まずはこの外邪から体を守るような生活に変えていくことが大切です。食生活、運動、住居などを見直してみてください。その上で外邪からまもる「衛気」をやしない、水分の過剰摂取をやめ、肺、脾臓、腎臓などを強くしていくことが大切です。
 そこで鍼灸の治療としては 気血を整えるような鍼治療を始めます。それから局部の例えば鼻、目といったところの対症療法で鼻水をおさえ、目のかゆみや涙目を軽減して肺の気を整え、痰などを減らしていきます。ただし、アレルギー反応がでて、完全に症状の真っただ中ではなかなか難しく、アレルギー反応が出る前からの体質改善の鍼治療をおすすめします。そうすることによりアレルギーのシーズンを軽い症状でのりきることができるでしょう。また鍼だけでなく、症状によって異なる漢方薬が用意されています。外邪の何に犯されてしまったか、またその時の症状の度合いによって漢方薬が異なります。ぜひともお近くの鍼灸師にご相談ください。

(BaySpo 2017/05/19号 掲載)
有澤保険事務所

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