池田怜仁映 DDS,MS(いけだ・れにえ)
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)にて歯学部を卒業し、矯正専門課程を修了。患者さんと家族のように接するのがモットー。みなさんが自信を持ってスマイルできる美しい歯並びと、一生付き合っていける機能的な噛み合わせを目標に、ベイエリアにて診療しています。
歯周病かどうかを自分でチェックする方法はありますか?(40代 女性)
 歯周病は歯を支える歯茎の感染病で、アメリカでは成人の約半分、日本ではおよそ8割もの人が感染しているとても身近な病気です。感染ルートはスプーンやお箸などの共用、口移し、キスなど、家族や恋人から移る可能性があります。口の中には何百種類もの細菌が住んでいて、その中でも歯周病菌が密集しているプラークが歯と歯肉の隙間の歯周ポケットに停滞してしまうと、炎症を起こし歯肉炎となり、放っておけば歯周病はさらに悪化し、歯周炎・歯槽膿漏へと進行してしまいます。
 健康な歯茎は淡いピンク色で、弾力があり、歯と歯の間の歯肉は引き締まった三角形をしています。更に細かく見るとスティップリングという歯肉の表面にみかんの皮のようなブツブツとした形が見えます。歯肉炎は歯茎に炎症が起きた状態のことで、歯茎は赤みを帯び、スティップリングも消え、歯肉の三角形の部分は腫れて丸みを帯びていきます。歯磨きやフロスをすると出血があるのも症状のひとつ。歯肉炎は丁寧なブラッシングや歯間清掃によって症状を改善することができます。
 歯茎の炎症が歯周組織の深部までさらに進むと歯周炎・歯槽膿漏になり、歯茎はさらに紫色がかった赤色に変色し、腫れ上がりブヨブヨと柔らかくなっていきます。出血はもちろん、膿が出ることもあり、口臭もひどくなります。歯肉の退縮により歯が長く見えたりもします。徐々に歯を支えている骨が溶けていくので、歯にグラつきがみえて、最終的には歯を抜かなくてはいけなくなってしまいます。歯肉炎とは違い、破壊された歯槽骨は残念ながら元に戻ることはありません。早めのケアが大切です。
 他の病気と一緒で歯周病も予防と早期発見が大切です。まずは正しい歯ブラシ方法を心掛けて毎日プラークコントロールしましょう。歯周ポケットを清潔に保つのが歯周病予防に繋がります。最低でも半年に1回は専門的なクリーニングをしてもらい、磨き残した部分の歯石を完全に取り除きます。もし「歯周病かな?」と思ったら検診を受け、必要な治療に取り組んで、悪化を防ぎましょう。

(BaySpo 2017/06/02号 掲載)
有澤保険事務所

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