柏 雪子(かしわ・ゆきこ)医師
アメリカ小児科学会認定医。茨城県出身。日本の高校卒業後渡米し、南カリフォルニアのロマリンダ大学医学部、同大学小児科の研修を修了する。ロングビーチ、サクラメントでホスピタリスト(病棟勤務医)の経験を経て、2015年3月より日本ベイクリニックに勤務。
夏によく流行る感染症に子供がかからないためには、 どんなことに気をつければ良いですか?(30代女性)
 夏に流行するウイルスの病気の代表格は手足口病、プール熱、ヘルパンギーナなどですが、どれも飛沫感染や接触感染でうつります。飛沫感染を予防するには病気の人のそばに行かないこと、そして接触感染を予防するのは手洗いです。シンプルな話ですが、これらを徹底すれば夏場に限らず9割のウイルス感染を予防するとも言われています。とは言っても、子どもは見ていないうちにウイルスのついた手で鼻をほじったり指をしゃぶったりお友達とくっついて遊んだりするので、全てを管理できるわけではありません。基本的には外から帰った後、食事の前、トイレの後に親子ともしっかりと手と手首を石鹸で洗うようにしましょう。手洗いの後、ぬれた手で服や髪を触ると手洗いの意味がなくなってしまいます。ペーパータオル、なければハンカチやタオルをこまめに洗濯して使います。オムツ替えなど排便の処理をした後も必ず手を洗います。お手拭きだけではウイルスや細菌は落とせません。出先では手洗いできないこともありますから、アルコールの消毒ジェルを常備することをお勧めします。プールの後はよく全身を洗うこと、そしてタオルなどをシェアしないことも予防になります。
 次に夏にかかりたくないのが食中毒です。詳しいことはここでは網羅できないのですが、基本的にはまた手洗いです。調理の前には必ずよく手を洗い、生ものを扱った後は必ず他のものを触る前に手を洗います。調理器具も生ものを触るものを分けておきます。生焼けの予防に一番確実なのは中心温度を測ることです。調理をしたらすぐ食べきること、食べきれないものはすぐ冷蔵すること、ペットボトルの飲み物もすぐ飲みきること、どれも基本的なことですが重要です。
 最後に、虫刺されによる感染の予防法です。近年、蚊によるデング熱やジカ熱などが騒がれています。感染する病気は地域にもよりますが、虫除けなどを使って蚊にはなるべく刺されない方が賢明かもしれません。アウトドアを楽しんだ後は必ず足などにマダニが付いていないかチェックをしましょう。マダニは様々な感染症の原因となります。もし噛まれていたら、すぐに毛抜きなどで取り除けば病気の感染を防げます。

(BaySpo 2017/06/30号 掲載)
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