池田怜仁映 DDS,MS(いけだ・れにえ)
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)にて歯学部を卒業し、矯正専門課程を修了。患者さんと家族のように接するのがモットー。みなさんが自信を持ってスマイルできる美しい歯並びと、一生付き合っていける機能的な噛み合わせを目標に、ベイエリアにて診療しています。
フロスを使ってもスキッ歯にならないのでしょうか?  素人の考えなのですが、爪楊枝的な感じで使用すると スキッ歯になるのではないかと不安になってしまいました。(30代 男性)
 デンタルフロスは歯周病や虫歯予防に不可欠な存在です。歯ブラシだけでは届かない、歯と歯の間の汚れが取れたことによって隙間を感じることはあるかもしれませんが、正しく使えばフロスが原因でスキッ歯になることはありません。キーワードは「正しく使う」です。今日は是非、正しいフロスの知識を身に着けてください。
 フロスの主な使用目的は歯の表目(特に歯間)についたプラークを削ぎ取ることです。ただ単に手早くフロスを上下させても効果がありません。フロスが短すぎると上手にコントロールできないので、余裕をもって40cmを目安にカットして両端を数回、左右の中指に巻きつけます。残りの指と指の間が10-15cmになるまでクルクル。その状態でフリーの人差し指と親指を使ってピンと張ってテンションを保ちつつ、フロスをゆっくり前後させながら歯と歯の間に入れます。この時に力任せに下の歯茎まで一気にフロスを入れてしまうと、歯肉が切れてしまい、歯茎に逆にダメージを与えて、後にスキッ歯の原因になったりしますので慎重に。フロスを丁寧に差し込んだら、一本ずつ歯の側面をこする様に上下に動かしてプラークを取り除きます。歯肉と歯の間の部分も忘れずに、歯の根元までフロスを下ろしてキレイにします。1カ所が終わったら隣の隙間のケアに移りますが、その時は指に巻いてあるフロスを巻き出して、キレイな部分を使いましょう。
 フロスは1日1回、寝る前の歯磨き時に行うのが最も効果的で、正しいテクニックならこの頻度でスキッ歯になる心配はありません。定期的にフロスをすることで、プラークコントロール以外にもメリットがあります。歯と歯の間のザラザラした感触や引っかかりに気付き、虫歯を早期発見できたり、口臭の予防につながったります。気になる箇所は担当の歯科医師に相談しましょう。
 デンタルフロスは使い慣れるまでにどうしても時間がかかり「面倒くさい!」と感じる方がたくさんいらっしゃるかと思いますが、習慣づけることで多くの口内のトラブルを防げる心強いツールです。正しい使い方を意識して、歯の隙間の汚れもきれいに取り除いてあげましょう。

(BaySpo 2017/09/08号 掲載)
有澤保険事務所

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