五十肩は、肩の周辺の筋肉や靭帯が固くなって炎症や痛みを引き起こすという症状で、複数の筋肉が影響しています。主な筋肉としては、三角筋、三頭筋、二頭筋があげられ、三角筋は肩関節から上腕骨の上部までですが、三頭筋や二頭筋は肩関節から肘関節までのびています。ですから五十肩で、肩よりも腕が痛い、さらには肘まで痛くなる人も少なくありません。
例えば、ショルダーバッグをいつも右肩に掛けていたり、寝るときにいつも右肩を下にして横向きに寝ていたりしていると、右肩の筋肉が固くなります。また、加齢とともに筋肉の弾力性がなくなり、筋肉はより固くなりやすくなります。自分では普段と同じように使っているつもりでも、弾力性が失われている分、元に戻りにくくなります。予防には、片側だけの使い過ぎに注意したり、普段からストレッチを心がけてください。
五十肩が慢性化して自分ではほぐせない場合は、専門家を訪れることをお勧めします。マッサージ以外にカイロプラクティックではグラストンと呼ばれるステンレス製の道具を使って固くなった筋肉をほぐす治療法があります。また、筋肉の奥深い部分が固くなっている場合はウルトラサウンド治療が最も効果的です。ウルトラサウンドは超音波で熱を作りだし、ほんのりと温かみを感じられてとても気持ちがよく、皮膚表面から4〜5センチ奥深くまで熱が伝わりますので、手ではほぐせない筋肉の塊も楽にほぐすことができます。
実は、五十肩で来院される患者さんのほとんどがストレートネック(首の骨に正常なカーブがなくまっすぐ)なのです。スマホを長時間うつむいて使ったり(スマホ症候群)、日常生活や趣味などで下を向く姿勢が長く続くと首のカーブは徐々になくなってきます。首に正常なカーブがあれば頭の重量はそのカーブで吸収されるのですが、正常なカーブがないと頭の重量が直接首の付け根の筋肉にのし掛かり、慢性の肩こりへと悪化していきます。これが原因で次第に肩周辺の筋肉が固くなっていき五十肩になりやすくなります。
「ストレートネックは治らない」と言われたことがあるかもしれませんが、カイロプラクティックの治療法の一つであるCBP(Chiropractic BioPhysics®)治療法では首のカーブをつけることができ、慢性の肩こりも治せます。首の正常なカーブを取り戻し、固くなった筋肉をほぐし、生活習慣を見直せば、つらい五十肩から解放され、快適な毎日を送れます。