賀川 裕美先生
親身な漢方・丁寧な鍼灸をモットーに賀川漢方クリニックで診療。CA州鍼灸師で、米国東洋医学会認定の東洋医学師。家族の慢性疲労が針灸と漢方で治ったのを目の当たりにしたことをきっかけに東洋医学に魅了される以前には、東京工業大学で理学博士号取得後IL州アルゴン国立研究所に勤務、現在はCA州NASAエームス研究所にて宇宙での微生物利用の研究にも従事。
先日のベイスポのビューティコラムで置き鍼に興味を持ちました。 置き鍼の使い方や(どれくらいの時間貼るとよいのか)、 効果がどれくらいあるのかをもう少し詳しく知りたいです。(30代女性)
 クリニックで鍼灸治療をすると痛みが良くなるのに普段の生活に戻ると痛みが戻ってしまう方には治療効果を長続きさせるために、先が尖っていないので皮膚に刺さるのではなく押しているだけの非常に短い針(長さ0.3 mm)にシールのついたものを体の痛い場所に貼ってお帰りいただくことがあります。これを置き鍼といい、当クリニックでは日本製(パイオネックスゼロ)を使用しています。慢性の肩こりや膝の痛み、けがの回復促進、腱鞘炎、歯ぎしりによるあごの痛み、神経痛による顔の痛みなどに顕著な効果が上がっています。
 置き鍼という方法は昔からありました。最初は長い針を浅く平らに刺してテープで固定していましたが、感染の危険がありました。次にうんと短い針(長さ0.2〜0.6 mm)を画鋲のように刺してテープで固定しましたが、針が刺さっている以上は感染のリスクがないわけではありません。さらに体に優しい方法として先が尖っていない針をシールで貼り付ける今の方法が生まれました。最初それを聞いた時は、いくら体に優しいからといって、刺さないのでは効果がないのではと思っていましたが、実際使ってみると、案外画鋲方式よりも効果が高かったので驚きました。
 治療効果を長続きさせるためなので剥がれるまではつけっぱなしにします。場所や皮膚の状態によってどれくらい長持ちするかは異なりますがシャワーやお風呂に入っても肩や背中だと2週間くらい、手首だと数日はもちます。実際使用してみるとチクリともせず何も感じないのですが、もう治ったと思って剥がしたら途端に痛みが戻ってきてやっぱり置き針が良い仕事してたんだと実感したという感想をよく聞きます。
 背中などの目立たない場所でしたら従来の大きさのシール(直径12mm)でいいのですが、顔など目立つ部分に貼る時は小さめのシール(直径9mm)の方が見た目がいいのでオススメです。ただ接着面積が小さくなるので剥がれやすくはなります。毛が生えている場所ではシールが皮膚から浮いてしまうので使用できません。日本のオンラインショップで購入可能です。

(BaySpo 2018/11/02号 掲載)
有澤保険事務所

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