小池 通輝 DC, DACNB, CCSP, ATC
 パーマーウエスト大学卒。ベイエリアの日本人で唯一、また世界でも少ない「カイロ機能神経学専門医」に認定されているカイロプラクター。NATA公認のアスレチックトレーナーでもあり、機能神経学と共にスポーツ医療にも力を入れている。臨床栄養学に基づいた食事療法、デトックス(解毒)やプロバイオティックなどのサプリメントの推奨、最先端の生化学検査を用いた隠れアレルギー検査、ホルモンバランス検査なども行っている。
生理痛がひどいのですが、そういった婦人科系の悩みはカイロプラクティックで治すことはできるのでしょうか?
 まず一言に生理痛といっても様々な要因が考えられます。日常生活に支障をきたして治療が必要とされるものを月経困難症(英語ではDysmenorrhea)といいますが、器質性月経困難症と機能性月経困難症に分類されます。

 器質性月経困難症とは、子宮や卵巣に生理痛の原因となる病気が潜んでいるものになります。よくある原因となる病気としては子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などがあります。例えばこのような病気が原因で生理痛が重い場合、カイロプラクティックによる治療で根本的な解決になることはありません。もちろんカイロの治療によって痛みが緩和される可能性はありますし、それはいいことなのですが、根本的な治療としてはまず原因となる病気を特定して、それに対するアプローチをする必要があります。その原因となる病気の種類や重症度、妊娠希望かどうかなどの要因でアプローチは変わってきますが、場合によっては病気が特定できても根本的な治療ではなく対症療法になる場合もあります。
 機能性月経困難症とは、そのような原因となる病気がないものを指します。生理痛の要因となるものの一つにプロスタグランジンという体内で作られるホルモンのような物質があるのですが、この物質が生理の直前に増えて子宮の収縮を促すことで、生理が始まります。このプロスタグランジンが多すぎると、子宮の収縮を促すとともに子宮への血流を減少させ、そして子宮内の神経を痛みに敏感にすることになるので、キリキリとした痛みや、また腰痛やだるさ、冷えなどの原因になります。また生理中は骨盤周りの血液の流れが悪くなってうっ血をおこすことで、プロスタグランジンによるキリキリした痛みとは別の下腹部や腰回りの重だるい痛みを引き起こすこともあります。そのような生理痛であれば、カイロプラクティックの治療による改善はより期待できると思います。
 生理痛で悩んでいる方は、場合によっては潜在的な病気がある可能性もあるので、生理痛があるのは当たり前のことだとは思わず、きちんと婦人科検診を受けられることをお勧めします。

(BaySpo 2018/11/30号 掲載)
有澤保険事務所

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