Dr. 岡井 健(おかい・たけし)
 東京生まれの福岡育ち。福岡西陵高校を卒業後ボストン、University of Massachusettsに留学し、その後Los Angeles College of Chiropracticを1991年に卒業。4年間南カリフォルニア、ガーデナ市で勤務医として働き、1995年よりサンマテオで開業。サンノゼクリニックは2001年よりで2015年はカイロプラクターとして25年目、親切丁寧をモットーに患者とのコミュニケーションを大切に診療に励んでいる。
右足、股関節の軟骨がすり減り歩くと傷みます。医師は手術を勧めますが 高齢なのでしたくありません。また、痛み止めは数種の処方薬を 服用しているので避けたく、他に有効な治療法はあるでしょうか。
 今回の質問者のように年齢を重ねると膝や股関節はどうしても摩耗してしまいます。関節で骨が変形し、軟骨などもすり減って関節の隙間がなくなってしまうのです。だからと言って「加齢でしょうがないですよね」と医者に言われれば患者は悲しくなってしまいます。今回のケースのように手術や投薬は避けたいという気持ちも本当によく分かります。クオリティー・オブ・ライフというものがありますので、いくら手術がいいと言われても必ず成功して楽になるという保証があるわけでもなく、術後の辛いリハビリもこの年齢になってくると厳しいものになります。
 薬にも手術にも頼らず今の状態を改善したいということなのですが、考えられる方法がいくつかあります。それは、股関節の周囲の筋肉などの軟組織を緩めて柔らかくすること、摩擦による炎症で組織にむくみがあるのでそれを軽減すること、軟骨の再生のための運動をすること、それと筋力の強化です。グルコサミンのようなサプリも効果があるかもしれません。いずれもその方の年齢や健康状態を見ながら進めていくことになります。
 股関節周りの筋肉はただでさえ固まりやすいので、このケースのように痛みがあって歩くのが辛い方は確実に筋組織が硬直していると思われます。それを緩めることは自分では無理でしょう。私のクリニックでは物理療法やグラストン、モービリゼ―ション、マッサージなどを使って緩めていきます。リンパ系の流れをマッサージにより活性化しむくみを取り、振動系の軟骨再生運動をやっていただきます。簡単なエクササイズや可能な範囲でのウォーキングで下半身の筋力を一定以上に保つことも大切です。それに加えて正しく歩行できているかなどのチェックと訓練も必要でしょう。その方がどこまでの回復を求めているかにもよりますが、可能な限りの回復を目指して地道に努力していくしかないでしょう。
 一番怖いのは痛みや治療を怖れて何もせず待っていると歩かなくなるので筋力が低下して歩行が困難になることです。早めに治療とエクササイズを開始することをお薦めします。

(BaySpo 2015/07/17号 掲載)
有澤保険事務所

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