有子Gower, LA.C.
Golden Gate University 会計学学士。明治鍼灸大学バークレー校にて伝統中医学修士。日本にて東レ(株)、Du Pont Japanに勤務。渡米後CA州の公認会計士として大手監査法人にて監査、税務業務。2002年CA州の鍼灸師資格を取得、SF日本町にJapan Town Acupunctureを開業。鍼灸、漢方薬師。気功、霊気なども治療に取り入れている。表千家教授、および直伝霊気師範格の顔も持つ。
生理不順やPMSに悩んでいます。よい漢方があれば教えてください。(20代女性)
 最近では生理不順、月経困難症、などをうったえる女性が増えているように思われます。放っておかれると不妊症など次々に女性特有の症状に悩まされることになりますので、できれば早いうちにそういった症状へ対処することをおすすめします。
 アメリカの鍼灸師は鍼治療だけでなく、漢方薬を専門的に扱っております。まずはどういう体質であるか、どうして生理不順などが起こるようになったかを診断させていただきます。
 鍼灸師の診断の仕方というのは、西洋医学のような血液検査などはしませんが、問診、舌診、脈診などを行い、それがどういう原因によるものかを見極めます。たとえば、よくいうストレスによる気滞からくる血液の滞り、瘀血、冷えなど原因はさまざまです。まずはその原因になっている状態を見極めてからでないと、漢方薬を選ぶことができません。
 漢方薬は風邪の症状ひとつをとっても、まったく異なる処方をいたします。冷えからくるもの、熱からくるもの、またその症状の度合いと時期によって出す漢方薬は異なります。同じように生理不順でも体が冷えて、顔色が悪い、しかも血液はさらさらとしている、という人もいれば、体がいつも火照っている、顔が赤い、便秘がちなどという人にはまた別の処方があります。
 また同じ漢方薬をずっと飲み続けるというのもあまりいい方法ではありません。体は確実に変化しています。ひとつの漢方薬を1カ月飲んでみて、その経過の結果からまた次のステップに移り、違う漢方薬を処方いたします。
 ですので、薬の箱に、生理不順、生理痛によいと書かれていても、すべての人に同じように効果を出すものではないことに注意してください。鍼治療を受けたことがなく、ただ「痛そう」という印象だけで、治療を度外視してしまうのはもったいないことです。鍼治療にはほとんど痛みは伴いません。できれば鍼治療と鍼治療の間に漢方薬で体を整えていくというのが理想的です。
 代表的な漢方薬としては桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、温経湯(うんけいとう)などがよく使われますが、どれを服用するかはぜひとも鍼灸師とご相談ください。

(BaySpo 2019/01/25号 掲載)
有澤保険事務所

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