賀川 裕美先生
親身な漢方・丁寧な鍼灸をモットーに賀川漢方クリニックで診療。CA州鍼灸師で、米国東洋医学会認定の東洋医学師。家族の慢性疲労が針灸と漢方で治ったのを目の当たりにしたことをきっかけに東洋医学に魅了される以前には、東京工業大学で理学博士号取得後IL州アルゴン国立研究所に勤務、現在はCA州NASAエームス研究所にて宇宙での微生物利用の研究にも従事。
最近、肩こりがするのと同時にピアスの耳の穴が痛くなる現象が起きて気になっています。何か関係がありますでしょうか?
 うわ〜難しい質問です。正直なところそういう患者さんを治療させていただいたことがないので正解はわかりません。関係があるのかとのご質問ですが、肩こりがすると必ずピアスの穴が痛くなる、肩こりがないときは痛くならないというのであればなにか関係がありそうです。もしあるとすればどのような関係が考えられるのか、私見をもって回答に替えさせていただきますね。
 第一の可能性は肩こりが痛くて不快なため血中のストレスホルモン濃度が上がり、そのためあらゆる場所の痛みに敏感になり、普段はそれほど痛くはないピアスの穴に痛みを感じてしまうというもの。
 第二の可能性は肩こりは何かストレスがあったときに起きやすいので、もとのストレスで血中ストレスホルモン濃度が上がり痛みに敏感になったために起こるというもの。
 第三の可能性を説明するには、まず耳つぼの話をしなければなりません。ピアスの穴はたいてい耳たぶの中央ですが、ここは耳つぼ治療では「目」のつぼにあたります。耳つぼ治療では治療する体の部位、例えば腰痛であれば「腰」に対応する耳つぼを刺激しますが、正確な耳つぼを探し当てるためにその耳つぼと思われる場所のあたりを何カ所か押して一番敏感になっている所を探し出しそこを刺激すると効果が高いとされています。つまり問題がある部位に対応する耳つぼが敏感になっていることを利用するわけです。肩こりは肩や首の筋肉が緊張するので頭への血行が悪くなり、頭痛や目の疲れを感じる人もいます。もし肩こりのせいで目に問題が起きている、あるいは目の疲れから肩こりが起こっていると目に対応する耳つぼすなわちピアスの穴のあたりが敏感になっている可能性があります。
 逆の現象、ピアスの穴を開けたりピアスを付けると肩こりや頭痛がする、ということは結構よくあることのようです。なのでその逆も起こりうるのかもしれません。肩こりが起こりそうな姿勢や作業をしているときは肩がこってしまう前にひと休みしてストレッチ。それでもだめなら短くて先が尖っていない針にシールが付いた置き鍼が有効なこともあります。ご相談ください。

(BaySpo 2019/04/05号 掲載)
有澤保険事務所

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