歩きすぎると足が疲れるように、目も使いすぎると疲れます。慢性化すると、目に痛みを感じる、白目が充血する、視界がかすむ、頭痛や嘔吐、肩こりを伴うなど、「疲れ目」を超えて、目を休めてもなかなか回復しない「眼精疲労」に発展してしまいます。目の使いすぎ以外にも、残業や夜更かし、睡眠不足によるからだの疲れ、ストレスや緊張による精神的な疲れからも、目の疲れや眼精疲労が生じます。全身の健康状態が目にあらわれる場合も少なくありません。目の健康には、目や視神経に栄養を与え、不調を修復させる十分な血流と、神経や筋肉の健全な連携が必要です。血行の悪化や自律神経系の失調が、目の疲れの原因になる場合が多いのです。
目は外眼筋と呼ばれる6本の筋肉によって支えられていますが、長時間同じ位置ばかり見ていると外眼筋が疲れて慢性的な眼精疲労を起こしてしまいます。まずは外眼筋をしっかり動かして血流を良くする目のエクササイズはいかがでしょうか? 一点を見つめるのと反対の動きとして、遠くと近くを順に見る、目玉をぐるぐる動かす、瞼をしっかり閉じたり開いたり、目線を時計回り、反対回り八方向に動かすたびに静止する、などです。
そして、ツボに鍼が入ることで体は即効で警告を受け止めますが、手でツボを押すのも有効です。目の周りに、目への血流を促す有効なツボが多数あります。鼻のつけ根の睛明(セイメイ)、眉の始まるところにある攅竹(さんちく)、眉の中ほどの魚腰(ぎょよう)、眉の終点にある絲竹空(しちくくう)、こめかみの太陽(たいよう)、眼球の下側にある承泣(しょうきゅう)などを気持ちの良い程度の圧で押してみて下さい。さらに目から離れた、後頭部髪の生え際の風池(ふうち)、肩こりと言えば押さえたくなる肩井(けんせい)、手の甲側で親指と人さし指の骨の付け根近くの間の合谷(ごうこく)なども有効なツボです。
最後に、漢方薬が、目のかすみや瞼のけいれんを伴う、疲れて症状がひどい、ドライアイやめまいがある、目がじんじんと痛む、こめかみのあたりが痛い、などの症状や、舌の観察による体質判断から、原因を引き起こす気血を調整しサポートしますのでご相談下さい。