ビジネス編  Vol.79
塩畑 一平さん
1978年生まれ。36歳。神奈川県茅ケ崎市出身、Middle School、High Schoolの半分をPacific Groveで過ごし帰国。上智大学卒業。ベンチャーSIerにてSE/プログラマーの経験を経て、2005年に現在の会社NIDEKで、当社の新規事業であった眼科専用の電子カルテに携わり日本の大学、総合病院へ導入を経験。その後、2008年にアメリカへ赴任。現在は米国Optometryを中心にMajor Retail Chainプロジェクトなどを手掛ける。既婚、息子2人。ベイエリアで創部22年の日本人サッカーチームSFコリンチャンスに所属。現在メンバー募集中!
渡米3度目ベイエリアでの暮らし
仕事では日本とアメリカの言葉、文化、働き方などの違いを橋渡しするリエゾンとして働き、趣味のサッカーではバラエティに富んだ職種の人たちと同じチームでプレイすることに幸せを感じるという塩畑さんに、ベイエリアでの暮らしぶりについて伺いました。
塩畑 一平さん

(Ippei Shiohata)BaySpo 1380号(2015/05/08)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 最初の渡米は1990年、小学校6年の時に親の仕事の都合でMonterey(Pacific Grove)にきました。Montereyは日本人が少なく、日系スーパーや日本食レストランも限られていて、3カ月に一度、San Joseのヤオハンと紀伊國屋に来るのが楽しみでした。その頃から日本のモノがあふれているベイエリアに憧れがありました。高校1年で日本へ帰国。大学在学中もベイエリアでなくても、とにかく仕事を通じて海外に住みたいという希望があり、就職活動でも全て海外駐在ができる会社を選んでいました。幸い永住権を持っていたので、「だったら、会社を通じて遠回りするより、今、行ってしまおう」と思い立ち、卒業後すぐベイエリアに来て就職活動を始め、職を頂き(オーリツギフトさん)念願のベイエリア生活をスタートしました。その後、日本での社会人経験もしたくなり日本の企業へ就職。日本へ帰国しました。そして2008年に今度は駐在で家族共々ベイエリアに移住。今に至ります。

ベイエリアの印象
 全米の中で一番といっていいほど、アメリカに居ながら日本が100%味わえる最高の場所であることは間違いありません。また、シリコンバレーという特殊な場所柄から、普通日本に住んでいたら絶対に知り合えない方々と交友関係が持てるのはここならではだと思います。私はサッカーをやっているのですが、チームメイトの職種のバラエティがすごいです。学生、日系企業の駐在員、米系企業勤務の方、学者、准教授、日本食レストランオーナー・社長、DVDレンタルショップオーナー、ベンチャーキャピタルファンドオーナー、スタートアップエンジニア、納豆屋さんなどなど多種にわたり、このベイスポのヒロさんもチームメイトです。日本では到底接点がなかったであろう方々との交友関係、ましてサッカーの試合中は年功序列などなく、時には厳しく、時には励ましあう仲間として、晴天のカリフォルニアで時間を過ごすことができることを幸せに感じています。

自分の専門分野について
 医療メーカーで働いています。医療といっても「目」に特化しています。メガネをかけている方は一度は見たことがあるかもしれませんが、「気球」の絵が見える装置や、目に空気が「ふっ」とかかる装置を作っている会社です。日本メーカーでは唯一、レーシック手術装置も作っていて、目の検査や手術装置、白内障手術に使う人工の水晶体やメガネのレンズ加工装置など幅広く作っています。メガネ屋さんでその場で手渡しサービスができるのはこういった加工機を店舗に入れているからです。私は米国の代理店と日本の本社との橋渡し役「リエゾン」をやっていて、主にOptometry対象の製品をカバーしています。こちらでメジャーなところでは「LensCrafters」などに製品が入っています。

その道に進むことになったきっかけ
 日本に帰国してプログラマーをやっていましたが、システムコンサルかシステム営業方面をやりたくなり、結婚もしてもう一度アメリカに行きたいという気持ちが出始め、将来的に駐在の可能性がある日系企業を探していたところ、ちょうど今の会社が電子カルテ部門を立ち上げたばかりでシステム営業を募集していたことです。

英語で仕事をするということ
 日本の文化とアメリカの文化の違い、日本企業文化とこちらの企業文化、考え方、ワーキングスタイル、指令系統、内部人間関係など両方を把握することだと思います。両社がWinWinになるよう英語と日本語を使って調整、橋渡しをすることを心がけ、互いが気持ちよく目標達成できるよう日本語、英語共に言葉遣いやトーンには気をつけています。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 特にないですが、強いていえば毎朝通勤の車中で聞いているRadio AliceのDJ。

あなたにとって仕事とは?
 チャレンジの場です。サッカーと同じなのかなと思っています。目標を達成するためにチームで協力して一丸となって戦う場。その中で各自与えられたポジションをこなす。私はサッカーでいうところのボランチ的なポジションで、本社(DF)から代理店(FW)への攻撃を展開するための水運び役と思っています。

いまの仕事に就いていなかったら
 ラーメン二郎の店主。ジロリアンなので聖地三田本店で修行を積んで、ラーメン二郎ベイエリア店をオープンさせたいです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 6時間・7時・1時

休日の過ごし方
 日本人サッカーチーム、SFコリンチャンスでキャプテンをやっているので、立場上、日曜は特別なイベントや出張がない限り試合や練習に参加します。今はチームが北米最古のアマチュアリーグ、サンフランシスコ社会人リーグに参戦していて、3月から8月まで毎週日曜に公式試合をやっています。木曜日にはもう一つの日本人サッカーチーム、イーグルスでインドアリーグもやっています。それ以外でも、土曜日の午前中はだいたい2人の息子のサッカーの試合があり、送り迎えと午後は公園や庭で息子たちやその友達にサッカーを教えたりしています。9月からはJYSOで毎週日曜、コーチのボランティアもやっています。他にはジムに行ったり、ラーメン二郎風ラーメンを自宅でつくったりもしますが、スープ、麺など全て最初から作るのでホリデーシーズンなど長期で休みがあるときにやります。

最もお気に入りのレストラン
 サンタクララにある韓国料理 「Gaboja」です。インドアサッカーの試合後の反省会でよくいく店なのですが、意外と安くておいしい。穴場です。

よく利用する日本食レストラン
 ラーメン好きなので「Shalala」。 

1億円当たったとして、その使い道
 San Jose EarthquakesとSan Francisco Giantsのシーズンチケットを30年分くらい買います。

日本に戻る頻度
 年に2、3回、出張で日本に行きます。

最近日本に戻って驚いたこと
 スターバックスでレシートを見せると、おかわりの2杯目が108円でもらえること。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 日本の本社が愛知県なので、寿がきやのインスタントみそ煮込みうどんを買ってきます。

永住したい都市
 茅ヶ崎です。生まれてから小学校5年まで、それと高校生活を過ごした茅ヶ崎がいいです。

5年後の自分に期待すること
 挫折せずジムに通い、サッカーを続けて90分試合でプレーできていること。

最も印象に残っている本
 「星を継ぐもの」。小さい頃からSF好きなので。この世界では人類は国や宗教、肌の色の違いをすべて乗り越え分かり合い、人類統一の目標として宇宙開発が進められています。戦争がなく、全人類が探索を夢見て技術を高めあう、そんな世界にあこがれます。

最も印象に残っている映画
 トレッキーなので、『Star Trek:First Contact』。人類が始めて宇宙人(Volcan)と遭遇するんです。これをきっかけに地球人は一人ではないことに気づき戦争がなくなり、貨幣制度などもなくなるきっかけなったエピソードがもっとも印象に残っています。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 チーターですかね。なんとなくネコ科、でもネコではなく獲物を狙っている感じだが、意外と失敗して飢えている、でも懲りずに走るみたいな。トラのような落ち着きやどっしりさは無く、ライオンとも違うかも。もしくはリス。外から見ると活発に行動している感じだが実は対したことはしていない。

座右の銘は?
 何事も否定から入らずとにかくやってみる。やってみなければ分からない。

(BaySpo 2015/05/08号 掲載)

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