一般編  Vol.177
藤島 皓介さん
NASA(米航空宇宙局)エイムズ研究センター研究員。慶應義塾大学大学院SFC特任講師を兼任。慶應義塾大学大学院博士課程早期修了。極限環境微生物や合成生物学の研究を手掛けるNASAエイムズ研究所Lynn Rothschild博士のラボにおいて、生命の起源、地球外生命探査、火星移住計画に従事している。趣味はサッカー、囲碁、スペイン語。
宇宙生物学の研究に取り組む
マウンテンビューにある米国航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所で、アストロバイオロジー(宇宙生物学)の研究に取り組み、休日はワイン造りやサッカーなどを楽しむという藤島さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
藤島 皓介さん

(Kosuke Fujishima )BaySpo 1390号(2015/07/17)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 生命の起源や地球外生命探査といった宇宙と生物学を結ぶ「アストロバイオロジー」という学問に興味があったのですが、まだまだ日本では知名度が低い分野ということもあり、日本で生物学の博士号を取得した後、世界中を対象に就職先を探していました。そんな折、2009年ベイエリアの米国航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所で2カ月インターンする機会があり、お世話になったLynn Rothschild教授から、「あなたの研究テーマは面白いから、自分でフェローシップをとって戻ってきなさい」と激励されました。その後、海外で研究するための奨学金を取得、2011年の6月から妻とともにベイエリアに住んでいます。

ベイエリアの印象
 気候がよく、海も山も近くにあり、のんびりとしていてとても過ごし易い場所だと思います。人当たりがよく、親切にしてくれる人が多いという印象です。カリフォルニアという響きから、来る前はもっと暖かい場所だと思っていましたが、朝晩が意外と寒くてびっくりしました。また、日本ではなかなかできない様々な体験(仲間とワインを造ったり、NASAパイロットの訓練機に乗る等)ができるのもベイエリアならではですね。

自分の専門分野について
 アストロバイオロジー(宇宙生物学)という学問の抱える3つの大きなテーマに取り組んでいます。1つ目は地球でどのようにして生命が誕生したかを考える、2つ目は、土星の衛星エンセラダスなどから、この太陽系で第二の生命を発見する方法を模索する、そして3つ目は有用微生物を利用した人類の火星移住のサポートです。

その道に進むことになったきっかけ
 大学で生物の勉強をしていた時に、ふと、こんな複雑な「生命」というシステムがどうやって始まったのだろうか?と疑問に思い、それから生命の起源や進化といった分野にのめりこみました。もともと、父が昔から科学雑誌「ニュートン」を定期的に買ってきたおかげで、「宇宙」には興味があったのですが、その「宇宙」と「生命」がクロスオーバーする学際的な学問に魅力を感じ、博士号取得後に思い切ってその分野に飛び込みました。この年になっても、時々ベイエリアまで「ニュートン」を送ってくれる父には正直、脱帽しています。

英語で仕事をするということ
 私は研究者なので、例えば実験の手順などを説明する時など、とにかく情報を正確に伝えることが重要だと思っています。流暢でなくともシンプルな単語でこちらの意図が伝わるまで根気よく説明することが大事だと日々感じています。

英語で失敗したエピソード
 たまに和製英語を英語にそのまま直訳して失敗します。以前同僚に「車のボンネットが汚れてさ〜」(bonnet got dirty)と言ったら、「ボネットさんどうした?」と心配されました(笑)。正解はHoodですよね。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 英語が100%ネイティブだったとしても、今自分がやっている仕事に就きたいです。

あなたにとって仕事とは?
 毎日なにか新しい刺激をもたらしてくれる、究極の趣味。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 サッカー選手

いまの仕事に就いていなかったら
 正直想像できませんが、きっと毎日楽しいと思える仕事に就いていると思います。

現在、住んでいる家
 Mountain Viewのトレーラーハウスです。去年、無人飛行機が屋根に直撃するという事件があり、銃声のような音がしたため、妻が「ついに隣の兄ちゃん達がドンパチ始めたか!」と、早とちりしました。

乗っている車
 クライスラー PT Cruiser

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 日本にいる時には考えられないくらい規則正しくなりました(笑)。朝8時に起きて、夜は12時までには寝ます。8時間睡眠が理想です。

休日の過ごし方
 家族と一緒に外出

好きな場所
 Shoreline Park。湖の脇に佇むカフェテリアは居心地がいいです。

最もお気に入りのレストラン  ナパのSt.Helena Hwy沿いのイタリアン「Bistro Don Giovanni」。リーズナブルな価格でとても美味しいピザやパスタが食べれます。午後のテイスティングの前にぜひ立ち寄ってみてください。

よく利用する日本食レストラン
 Mountain Viewダウンタウンの「Yakko Sushi」。家のお向かいに住んでいた夫婦が経営している縁でよく行きます。

1億円当たったとして、その使い道
 半分は家族のために使って、残り半分は将来の宇宙旅行のためにとっておきます。

日本に戻る頻度
 出身大学の非常勤講師を兼務している関係で、年に数回程度は帰国します。

最近日本に戻って驚いたこと
 ベビーカーに優しくない。駅によってはエレベーターがないところも・・・。

日本に持って行くお土産
 仲間と一緒に造ったワイン。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 山形の日本酒、九州の焼酎。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 特にありません。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 毎年家賃が値上がりしていて、かなり不安です。

日本に郷愁を感じるとき
 ベイエリアでは季節を楽しむという感覚がないので、日本の四季が時々恋しくなります。

お勧めの観光地
 Big Sur

永住したい都市
 ハワイか沖縄のように海が綺麗で暖かい場所で過ごしたいですね。

5年後の自分に期待すること
 今と同じ研究への情熱を持ち続けていること。

最近読んだ本
 JAXAはやぶさ運用担当者、矢野創の「星のかけらを取りにいく」。

最近観た映画
 『インターステラー』。映画そのものよりも、3次元ブラックホールがどう見えるかを、物理法則に則ってスーパーコンピューターを利用して再現した事実に驚愕。

座右の銘は?
 「夢を夢のままで終わらせない」

(BaySpo 2015/07/17号 掲載)

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