一般編  Vol.178
遠峰 健太郎さん
神奈川県横浜市出身。東京の高校を卒業後、家族で渡米。英語での生活で苦労する中、理学の学士キネシオロジーを取得後、修士で伝統医学中国医学を勉強し、卒業後ライセンスを取得。メンロパークにあるHolistic Health Centerにて、治療の日々を過ごす。
東京五輪でアスリートをサポートしたい
メジャーリーグサッカーチームのサンノゼ・アースクエイクスでインターンをした後、中国伝統医学の医師となり、休日には早朝サーフィンに出かけるという遠峰さんに、ベイエリアでの暮らしぶりについて伺いました。
遠峰 健太郎さん

(Kentaro Tomine)BaySpo 1391号(2015/07/24)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 1996年の夏に、父親の仕事の関係で家族全員で渡米してきました。その当時父親は、HPで働いていたので、ベイエリアに来る事になりました。

ベイエリアの印象
 高校を卒業した後すぐにベイエリアに来たので、印象としては不安と未知の世界でしかなかったですね。あまり周りを見る余裕が無かったです。でも、生活して行くうちに可能性がたくさんある所という印象に変わっていきました。来たのが96年ですから、Google、Apple、Facebookなどの会社も存在しなかったですし。スタートアップの企業も今ほどありふれてなかった。もう少し、メローだったと思います。

自分の専門分野について
 Traditional Chinese Medicine(TCM)という伝統医学のもとに、鍼灸(acupuncture)、漢方薬(herbs)、 気功(qi gong)、カッサ(gua sha)、などのmodality(療法)を使った治療を提供しています。身体に元から備わっている自己治癒力を高めてあげて、自分で治すというのがTCMです。カリフォルニアでは、ステートボードに受かってライセンス取得した者によってのみ治療を提供する事ができます。西洋医学のドクターの中にも、鍼灸をする方もいます。

その道に進むことになったきっかけ
 日本代表のラグビーチームがベイエリアに来た時、その時のヘッドアスレチックトレーナーに薦められて、鍼灸の資格の事を考え始めました。その当時、アスレチックトレーナーとしてアメリカでやっていくためには、他の人にはない武器を持って方がいいと思ったので。MLSのアースクエイクスが優勝した時、たまたまインターンをしていたんですが、チーム残留の話を蹴って鍼灸学校に通いだしました。その位の覚悟でしたね。

英語で仕事をするということ
 今でも勉強の日々が続いています。やはり医療機関で働く上で、患者とのコミュニケーションはすごく大事で、診断にも影響する事になりかねないので、慎重に英語は使いますね。

英語で失敗したエピソード
 面白い話が多々あるのですが、いっぱいあり過ぎて入りきらないのであえて避けます(笑)。
あなたにとって仕事とは?
 家族を支える手段の一つです。でもお金のことを考えて仕事はしないようにしています。治療家としてビジネスの事を考え出すと、いい治療が出来ないといつも言い聞かされてますから。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 幼稚園のアルバムをみたら、ロボット博士って書いてありました。何でしょうね。おそらくうちの家系から言うと、エンジニアが多かったからだと思います。ちなみに兄弟男3人で真ん中だけがエンジニアで、一番下はシェフです。

いまの仕事に就いていなかったら
 アスレチックトレーナーでしょうね。

休日の過ごし方
 子供達との大切な時間なので、自分の趣味のサーフィンや体づくりのためのクロスフィットは、早朝みんなが寝てる時間に行くようにしています。

好きな場所
 サンタクルーズ。海が見えればどこでもテンションがあがります。単純なんですよ。

最もお気に入りのレストラン
 Los Gatosにある「Manresa」は、ちょっとレベルが違いました。一度行ってみるなら、ここって所です。結婚記念日の秋に行った時、鮑、秋刀魚、栗などの食材をチョイスにしていました。日本食のテイストを取り入れたりして、シェフの度量の大きさが伺えて、感激したのを憶えています。

よく利用する日本食レストラン
 「ごち」がやっぱり多いですね、美味しいし。最近なかなか行けてないので、近々また行きたいです。

1億円当たったとして、その使い道
 @1000万円を日本円で貯金、A500万円を寄付、B親に2000万円渡す、C1500万円をドルに換金、D株に1000万円、E3000万円を子供の学費に、F1000万円は旅行に使う。色々調べた結果、これがベスト。

日本に戻る頻度
 ほとんど帰らないです。両親と一番下の弟は日本ですが、父と母はよくこっちに来るし、弟は今度ニューヨークで仕事の予定だしで、これからもあまり帰る機会がなくなりそうです。子供達が少し大きくなったら、戻る頻度は増えるかな。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 1996年当初は、今みたいな忙しい感じでもなく、ゆったりと時間が過ぎていたような感じでした。やっぱり渋滞は昔に比べるとひどくなりました。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 干ばつ。異常ですよ。危機感を感じないといけないと思います。みんなで一緒に、節水しましょう!

日本に郷愁を感じるとき
 美味しい魚介類を食べた時。特に自分で鮑や雲丹などを採ってきて食べて鮮度を目の当たりにすると、日本にいた時は、よっぽど良いものを食べていたと痛感させられて日本を思い出します。

お勧めの観光地
 ヨセミテ国立公園、レイクタホ、サンタクルーズ。ここの自然は偉大ですよ。

永住したい都市
 ベイエリアか、サーフィンの出来る海の近くの都市なら何処でも。
 
5年後の自分に期待すること
 2020年の東京オリンピックで、何かできることがあれば良いなと思います。英語と日本語が活用できる所で、アスリートをサポートし、彼・彼女たちのベストの記録や、パフォーマンスの手助けができれば最高ですよね。学生時代、アメリカのTrack and Field(陸上競技)の選考会をサクラメントで手伝う機会があったのですが、やはり良い経験でしたね。

最も印象に残っている本
 吉川英治の「宮本武蔵」、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」。

最近読んだ本
 ティナ・シーリグの「What I Wish I Knew When I Was 20. / 20歳の時に知っておきたかったこと」。彼女は患者の一人で、治療のお礼にと貰った本です。スタンフォード大学のアントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクターをやっているだけあって説得力のある本でした。

最も印象に残っている映画
 ブルース・ブラウン監督の『エンドレス・サマー』。パーフェクト・ウェーブを求めて世界中の海を渡り歩く2人のサーファーの姿をドキュメンタリー風に描いた映画です。これは、サーファーだったら一度は必ず見ているはずの一本でしょう。1と2がありますが、両方良いです!

最近観た映画
 藤谷文子、北村一輝が出演した、デイブ・ボイル監督の『Man From Reno』は、ミステリアスな映画でとても良かったです。彼の作品はこれ以外にも色々ありまして、僕の義理の兄が主演している『Surrogate Valentine』は、SXSW映画祭で封切りされ、シアトル国際映画祭、サンフランシスコ国際アジアン・アメリカン映画祭(クロージング・ナイト・セレクション、観客賞受賞)、ハワイ国際映画祭など、数々の映画祭で上映されたんですよ。

自分を動物にたとえると? なぜ?
 考えた事ないけど馬かな? 午年って事もあって、気になる動物ではありますね。坂本龍馬が好きなので、息子に名前をつける時、龍馬って名前が挙がったくらいで、嫁さんに「発音しにくいから嫌」って言われなかったらその名前を使ってたと思います。

座右の銘は?
 「継続は力なり」。この言葉は高校時代にラグビーをやっていた頃、部訓の一つとして心に残っている言葉です。今でも肝に命じています。挫折しそうになったり、諦めそうになった時にこの言葉が浮べて頑張ります。続けていれば、いつかは花が咲くのを信じて。

(BaySpo 2015/07/24号 掲載)

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