一般編  Vol.180
ミレ ボイドさん
東京生まれ埼玉育ち、8人兄妹の次女として育つ。高校時代に父親の会社が倒産し、進学を諦め就職。20代で結婚、出産、離婚し、再度就職。現在の夫と1997年にアメリカにて再婚。2人の子供を授かり3児の母となる。2009年に会社 Townii, Inc.を設立。日米両サイドの留学・研修などをサポートしている。国際社会で活躍する女性を支援する団体「Global Women’s Association」の理事を務めるかたわら、「シリコンバレー日本大学」を作るプログラムwww.svju.orgに参画、若者支援にも力をいれている。
子供のころの夢に近い仕事
留学やインターンシップをサポートする仕事のかたわら、グローバル女子会、シリコンバレー大学プロジェクトなどにたずさわり、アメリカと日本の架け橋になる人材でありたいというボイドさんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
ミレ ボイドさん

(Mire Boyd)BaySpo 1394号(2015/08/14)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 きっかけは結婚でした。私は2度目の結婚なのですが、日本で結婚、出産、離婚をした後に、日本で出逢った今の主人と2年程遠距離での付き合いをして、たまたま1週間の休暇を取って子連れでアメリカの主人のところへ遊びにきていた時にプロポーズされ、日本に帰らぬ人となりました(笑)。渡米したのは1997年だと思います。

ベイエリアの印象
 青い空、ちょっとひんやりするようなドライな感じが、自然のエアーコンディショニングの中にいるような感じで、過ごしやすいところだなと思いました。

自分の専門分野について
 今現在は、留学、研修などの教育分野です。

その道に進むことになったきっかけ
 子供の頃から学校の先生になりたかったのですが、色々ありまして先生になる事が出来ませんでしたが、アメリカに来て色々な分野の方と出会った事によって、留学やインターンシップのお手伝いをするようになり、今では大学設立のお手伝いもさせて頂いております。違う形ですが、子供のころからの夢に近い仕事をしているなって思います。

英語で仕事をするということ
 私は英語が一番大嫌いな科目でしたので、なぜ英語圏に住んでいるのか不思議なくらいです(笑)。そんな私にとって英語を使っての仕事というのは、コミュニケーションをするツールです。未だに完璧な英語は出来ませんが、思いで通じさせてる感じですね(笑)。

英語で失敗したエピソード
 数えきれない程ありますよ。とにかく分からないから一生懸命聞きますが、ほとんど想像「Guess」の世界なので、いまだに失敗だらけですよ。アメリカに来たばかりのころ、買い物に行ってレジのところで「キャッシュバックする?」と聞かれ、「キャッシュバックって何?」と聞いたら、「現金が欲しければ渡すよ」と言われたんです。私はそれを聞いて、もしかしたらポイントかなにかが貯まってそれを現金でもらえるのかなと思って、「いくらもらえるの?」と聞いたんです。そうしたらレジの人は変な顔をしながら「20ドルでも40ドルでもあなたが必要なだけ」と言ったので、私は遠慮しながら「じゃ、20ドル」と答えたんです。そうしたら本当に20ドルのキャッシュをくれたので、ウキウキして家に戻りました。その日の夜、旦那にその事を話したらあきれた顔をされて、「それはクレジットで借金をしたようなものだよ。もう絶対にしないで!」と言われたんです(笑)。今はその意味は分かるのでその時の事を考えると笑っちゃいますが、その時はとにかくドキドキで嬉しかったのを覚えています。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 ネイティブだったら、やっぱり学校の先生かな。

あなたにとって仕事とは?
 元気になるためのエネルギー源かな。家事があまり好きではないので、仕事が逃げ場にもなっているかも(笑)。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 幼稚園の先生でしょうかね〜。自分に子供が出来てからは幼稚園児は大変だなって思って(笑)、小学校の先生を考えましたが。

いまの仕事に就いていなかったら
 どうしてるか想像がつかないですが、お母さんと妻を専業しているかも。

現在、住んでいる家
 ウッドサイドに近いレッドウッドシティです。山の中なので色々な動物に出会います。

乗っている車
 主人がトヨタのランドクルーザーが好きで、トヨタ車がなぜか6台あるので、どれかに乗ってます。皆ボロいのばかりですが(笑)。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 日本とのやり取りが多いので、夜は夜中の12時くらいに寝て、朝は7時くらいに起きます。

休日の過ごし方
 普段できない掃除とか、あとは何もせずにぼんやりするとか、家族で過ごす事も多いです。

好きな場所
 家が一番好きかも。山の中なので自然がいっぱいだから。

最もお気に入りのレストラン
 気分によって変わるので、「ここ!」とは言えないのですが、もちろん和食は好きだし、メキシカンも大好きです!

よく利用する日本食レストラン
 内緒です。

最近日本に戻って驚いたこと
 東京オリンピックまであともう少しですが、まだまだ外国人が大荷物を持っての移動は、電車にしても、タクシーにしても大変だと思いました。今回2人子供を連れて日本、シンガポール、マレーシアと行ってきたのですが、同じ状況(3人、スーツケース3個)でタクシーに乗ろうとして、日本の運転手さんにだけは、3個スーツケースを持っている事で皆目も合わさず、無視されました(苦笑)。シンガポールとマレーシアのタクシーの運転手さんはどうにか荷物を入れられるよう工夫をしてくれましたし、夜中の便で着いて、水などを購入しなくてはいけなかったら、お店に連れて行ってくれたり・・・。この違いにちょっと驚いてしまいました。

1億円当たったとして、その使い道
 そうですね〜。将来子供達に迷惑をかけないように老後のためにとっておくかも。というのも、義理の母が老人ホームに住んでいるのですが、月9000ドル近くかかっているんです。それを見ると長生きしたくないな〜なんて思っちゃいますが、こればっかりは分からないので、まわりの人に迷惑かけないようにとっておくのがいいかと・・・。

日本に戻る頻度
 年に1度は戻ります。年に1度、私が理事を務めるグローバル女子会の集まりがありますので、その関係や仕事で行くときはもう少し回数も多いです。

日本に持って行くお土産
 日本にはアメリカの物が何でもあるのでいつも悩むのですが、Trader Joe'sのエコバッグとか、マカロニチーズ、子供にはシリアルなどを買って行きます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 和風だしや昆布。あと、毛先の尖った歯ブラシ。アメリカの歯ブラシは大きいから、いつも日本で買ってきます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 ベイエリアの生活が長いので、普段の生活ではあまり不便を感じる事はありません。ただ、日本から人が遊びにきたりしたときは、家が山の中でバスも電車も通ってないので、遊びにきた人が自分たちでどこも行けない事でしょうか。

永住したい都市
 私は日本が大好きですが、永住するのはやはりベイエリアが一番いいかな。ハワイも好きなのでハワイも考えたりしますが、やはりずっと暑いのはどうかと思ったりします。 

5年後の自分に期待すること
 期待する事? そうですね〜。人に迷惑をかけないように健康である事。そして今現在シリコンバレーに大学を作るプロジェクトメンバーとして動かせて頂いているのですが、5年後はこの大学で自分も勉強しながら、アメリカと日本の架け橋になる人材でありたいと思います。ちなみに、今回9月に初の短期プログラムを行ないますので、ご興味のある方は是非ご参加ください!

座右の銘は?
冬は必ず春となる。

(BaySpo 2015/08/14号 掲載)

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