一般編  Vol.183
星 友啓さん
Stanford大学Pre-Collegiate Studiesにて教育ディレクターとしてスタンフォード・オンライン高校を運営。学校コンサルティングAbroEd経営。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒、Stanford大学哲学部博士課程修了。趣味は料理、ゴルフ、マラソン。
教育分野での国際協力を目指す
スタンフォード大学で博士号取得、同大学哲学科で教鞭をとり、近年はスタンフォード・オンライン・ハイスクールの運営もされているという星さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
星 友啓さん

(Tomohiro Hoshi)BaySpo 1400号(2015/09/25)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 スタンフォード大学で博士号取得のため、2004年よりベイエリアに住むことになりました。渡米したのは2002年です。テキサスで修士課程をやりました。

ベイエリアの印象
 多様な人種や文化がバランスよく享受されていると思います。また、たくさんの自然資源に恵まれながらも、都市部へのアクセスが容易で、仕事もレジャーも充実させやすいのではないでしょうか。東京で生まれ育ったので、都会の喧噪から少し離れた感じで、自然と町のバランスがとても良く私の肌に合います。

自分の専門分野について
 学術的な専門分野は論理学です。時折、哲学部でも教鞭をとりますが、現在はスタンフォード・オンライン・ハイスクールの運営が業務の中心です。スタンフォード大学が運営する高校として10年前から活動を始めました。オンラインで初の認可を受けた一条校の高等学校として、ベイエリアならではのリソースを活用しつつ、EdTechと中等教育の有意義な融合を目指しております。バーチャルクラス空間で、生徒と講師がふれあうセミナー形式を基本にして、全米、世界各国からの生徒さんたちのニーズに答えるよう日々努力しております。

その道に進むことになったきっかけ
 博士課程の終わり頃に、スタンフォード・オンライン・ハイスクールの哲学カリキュラムを作成するプロジェクトに参加してから今に至ります。はじめはトウディッピング(toe-dipping やってみる)だけのつもりだったのですが、今ではアゴまでずっぷりと、オンライン高校の運営に携わっております。私を現プロジェクトに引き合わせていただいた、故パトリック・スッペス教授に深く敬畏と感謝の念を表したいです。

英語で仕事をするということ
 私は生まれてから大学を卒業するまで日本におりましたので、かれこれ十数年アメリカにおりますが、やはり、ネイティブの英語という訳にはいきません。ただ、度々思うのですが、それはそれでアドバンテージになることもある気がします。ネイティブであれば多少トーンを勘案して発言すべき様なことを言う時に、意図的にごくストレートに発言しても、ノンネイティブということで、割に寛容に受け入れられるということがある気がします。ノンネイティブならではの、アドバンテージとは何かということを意識するようになりました。

英語で失敗したエピソード
 公にお話しできるようなエピソードはありません。自主規制させていただきます。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 他の人生の要因がほぼ同じだったとしたら、何の言葉がマザータングであったかということはあまり関係ないように思います。ただ、日本で英語がネイティブだったら、もてていたような気もします。

あなたにとって仕事とは?
 若い頃に、現在のような教育関連、真ん真ん中の仕事をすると思っておりませんでした。というよりも、教えることがむしろ嫌いな方でした。嫌いだったが故に、教えるということに冷静に向かい合うことができたように思います。という訳で、何か大きな夢を持続して抱いた結果の上に現在があるという訳ではありません。にもかかわらず、仕事が自我の存在論的な重要な一部分たりうるように、やりがいのある満足のいく仕事をさせていただけていることを幸福に思います。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 忘れてしまいましたが、パイロットだったような気がします。政治家とか弁護士だったかもしれません。大学時分にはものすごく料理人に憧れていました。現実味と実際に注ぎ込んだ努力の度合いからすると、本気で初めてなりたいと思ったのは、料理人かもしれないです。今でもなりたいです。

いまの仕事に就いていなかったら
 実家の花屋を継いでいたのでしょうか。前述のように、大学時代は料理人を目指しましたが、その方向を挫折せずに追いかけていたらと、今でも考えることがあります。老後はレストランを経営したいです。

現在、住んでいる家
 Mountain Viewの個人所有のコンドミニアムを賃貸しています。近くにメジャーどころのスーパーやレストランがあるので、とても過ごしやすいです。できることなら、もう動きたくありません。

休日の過ごし方
 家族と買い物をしたり、ホームパーティーをしたりします。基本的に、家族と楽しめる範囲内でお酒をたしなむことをいかに楽しくできるかという哲学で、週末を計画しています。ここ数年でマラソンを始めたので、走り屋の友人達と長距離ランを楽しんで、そこからのお酒というパターンも大好きです。

好きな場所
 もう12年くらい毎日おりますんで、スタンフォード大学はやっぱり落ち着きます。走ったり、ゴルフしたり、ジムに行ったり、トレーニングのクラスをとったり、と仕事の合間やオフタイムにすることも充実しています。

最もお気に入りのレストラン
 「Terun」と「Fishmarket」。お手軽で、小さな子供もOK。しっとりとした雰囲気のレストランも好きですが、わいわいがやがやが最近好きです。

1億円当たったとして、その使い道
 ファーストクラスで世界一周家族旅行&日本での事業を拡大したいです。もしくは、ついにレストラン開業しましょうか。

最近日本に戻って驚いたこと
 渋谷駅が地下深くなりすぎて、地上に出れなくなりました。現在実家のある武蔵小杉が都会化しすぎて、圧倒されております。

日本に持って行くお土産
 エコバッグが持ち帰りやすいので定番でしたが、あげすぎて次の一手を探しています。実家の花屋のお客さん等に毎度相当量のお土産を持ち帰ることを強要されているのですが、昨今どこでも何でもあるので、ちょっとした頭痛の種です。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 あまりないです。ベイエリアということではないのですが、やはり家族と離れているので、気軽に会いにいったり、子供を預かってもらえないことでしょうか。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 ないです。ただ、最近体を鍛えたり、黒く焼こうとしたりして、何になりたいんですか? という風に聞かれた時、少し不安に感じたことはあります。

お勧めの観光地
 甲乙付け難いですが、このあたりで、わりと気軽にそれなりの遠出ということだと、定期的にTomales Bayで牡蠣とか食べたくなります。それからやっぱり定番ですが、ナパは何度行ってもいろいろ楽しめます。それから、ベイエリア界隈の国立公園をいつか制覇したいです。あまりアウトドア派ではなかったのですが、やっぱり自然ってすばらしい。

最も印象に残っている本
 宮台真司の「終わりなき日常を生きろ」。学生の多感な時に読んで衝撃を受けました。敵も多いですが、今でも批判的に宮台真司の言うことを聞くのが好きです。

最も印象に残っている映画
 『ピーター・グーリナウェイの枕草子』。若い頃、映画かぶれしていた頃、やっぱり衝撃的でした。最近はもっぱらファミリー映画ですが、シリアスな感じなものもいつかまた楽しみたいです。

最近読んだ本
 石持 浅海の「アイルランドの薔薇」。妻の影響で推理サスペンス的なものを少し読みかじったりしております。

最近観た映画
 『Wild(邦題:わたしに会うまでの1600キロ)』リース・ウィザースプーン主演の映画です。この前、日本から戻ってくる機内で観ました。ちょっと、周りの席の人の目が気になりました。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 妻にたぬきといわれます。小太りな感じが理由でしょうか。若い頃は、「俺は鰹だぴょんぴょん」と言っていたこともありました。なぜそんなことを言ったかは忘れてしまいました。

座右の銘は?
 「To be is to be the value of a variable.」

(BaySpo 2015/09/25号 掲載)

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