一般編  Vol.130
堀切グレイスさん
 日本人の両親の下サンフランシスコで生まれ育つ。サンフランシスコのAcademy of Art大学でグラフィックデザインを専攻して卒業。今年で日本町ストリートフェアの実行委員長を15年間務めるかたわら、北加日本文化コミュニティーセンター(JCCCNC)、高齢者福祉団体の気持会、北加桜祭りなどのボランティア活動も精力的に行っている。
ボランティアは精一杯やること
 サンフランシスコ日本町で38年間続いている、アジア系の食べ物ブースや文化イベントで賑わう日本町ストリートフェアで実行委員長を15年間務めている日系2世の堀切グレイスさん。グラフィックデザイナーとしても活躍する堀切さんのベイエリアでの暮らしを聞いた。
堀切グレイスさん

日本町ストリートフェア実行委員長(Grace Horikiri)BaySpo 1189号(2011/09/09)掲載

ストリートフェア実行委員長ではどのような仕事を?
 食べ物ブース委員会やイベント委員会などを管理してイベントを成功に導くことです。イベントに協力してくれている多くのコミュニティー、スポンサーなどと良い関係を保つことも私の大きな仕事です。たくさんの人と出会い、ネットワークができ、日系以外のコミュニティーが参加してくれるようになったことがうれしいですね。外から見れば、イベントの企画は簡単に見えるかもしれませんが、SF警察、衛生局を含めた市との関係も大事ですし、財政面の管理は本当に難しいです。特に、最近の不況でイベント開催に必要な許可を得るための経費が上がってきてます。桜祭りと比べると、ストリートフェアは本当に小さなお祭りですが、SF日本町やアジア系コミュニティーをプロモートするためには大切なイベントです。

ストリートフェアの目的、意味など
 アジア・環太平洋系アメリカ人のコミュニティーと日系コミュニティーの架け橋になること。彼らの文化活動などが披露できる場を提供することです。また、今回のイベントにボランティアとして参加し、運営・企画などを学んだ多く若い方々に「ボランティア精神の大切さ」を学んでもらい、彼らが所属するコミュニティーでのイベントの運営・企画などほかの場で活躍してもらいたいです。

ストリートフェアの醍醐味は?
 ハワイ音楽やR&Bなどのいろいろなジャンルの音楽を楽しめます。食べ物は、ハワイやベドナムなどのアジア系の食事が楽しめます。フェアが始まったころから協力してくれているサンフランシスコ太鼓道場の演奏もあります。

堀切さんにとってボランティアとは?
 精一杯やる気持ちです。ボランティア精神にはエゴがなく、集まったみんなと協力してがんばる気持ちでもあります。ボランティア精神はストリートフェアのボランティア、長年カラオケ団体で活躍している父、金門学園の校長を長い間ボランティアしている母を若いころに見て学び、みんなが世のため人のために働いているのを見ていつも尊敬してました。ストリートフェアのボランティアは全員が仲良く、一生懸命やってます。楽しいこと、大変なことと両方ありますが「がんばれば楽しくなるよ」とボランティアのみんなをいつも励ましています。

ストリートフェアに関わるようになったきっかけは?
 小さいころから日本町近くの日本語学校に通い、現在も行っているさまざまなコミュニティーイベントに参加してきました。そんなときにストリートフェアの初代実行委員の方々と知り合い、ボランティアとして参加したのがきっかけです。私がグラフィックデザイナーということもあり、最初はフェアの小冊子を作る委員会でのサポートをお願いされました。そして15年前、当時実行委員長をしていたカンザキさんから、私と当時財政面を担当していたパット・フォングさんに委員長のトーチが渡されました。

日本語はどうのように?
 父母が日本語しかできませんから、高校に上がるまでサンフランシスコの金門学園に毎日通いました。人前で日本語で話すのは緊張します。

グレイスさんにとって仕事とは?
 全身全霊をもって取り組むことです。すべてが私のしたことのレフレクションですからね。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 アート関係の仕事をしたいといつも思ってました。母が器用で、子どものころいろいろな物を作ってくれました。だから、折り紙とか漫画を書くのが好きでした。

最近はデジタル時代ですが、手を使って仕事することは?
 今でも使いますよ。コンピュータでデザインする前に必ずボードや紙の上でレイヤーを書き上げ、みんなと話し合って意見を出し合います。最近のデザイナーの中には、基本的な絵を描けなくて何かが足りないなと思うことがあります。紙とペンを使う経験が少ないのではないでしょうか。紙に直接書いたほうがアイデアが浮かんできやすいと思います。

いまの仕事に就いていなかったら
 若い世代とシニアに関わる社会福祉の仕事でしょうか。

現在、住んでいる家
 サンフランシスコのサンセット地区に住んでます。霧の立ちこめるこの場所で育ちました。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 テッペイと名付けたパグがいつも午後11時ごろになると、「寝る時間だよ」と教えてくれます。テッペイのブログもあり、日本で犬のブログをしている人とやり取りすることもあります。

休日の過ごし方
 最近は母親と一緒に過ごすことが多いです。親孝行をしっかりとやりたいです。

好きな場所
 サンフランシスコ。それぞれの地区にはいろいろなコミュニティー、文化、食があって楽しいです。また、ミッション地区はいつも天気でサンセット地区はいつも霧など、環境が違うところも面白いですね。

最もお気に入りのレストラン
 ミッション地区にあるDelphina。イタリアンです。チャンスがあればお金を貯めていきます。パスタもおいしいけれどチキンとポークをローストしたものがおいしいです。

よく利用する日本食レストラン
 日本食は家で料理するので、あまり行きません。母親が作ってくれた肉ジャガとかコロッケ、友だちが来たらすき焼き、お好み焼きパーティーなどをよくやります。けんたろうの料理本を使ってます。

1億円当たったとして、その使い道
 両親のために使い、残りは、主人といつも話してますが、これまで私たち家族を支えてくれたコミュニティーに恩返をしたいです。

最近日本に戻って驚いたこと
 犬関連のブティックが多いことです。日本にある犬の服は丁寧に作ってますね。空手の道着とか、夏は暑いので氷を入れられる服なんかもあるんですよ。

日本に持って行くお土産
 ワインとメキシコ系料理で使うソースとか、缶に入ったビーンズとか素材を中心に横浜に住んでいる兄に持っていきます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 明太子、梅干しが小さいときから好きなんです。あとは焼酎。お父さんがお酒好きなので、私も好きです。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 物価の上昇。子どもたちが外で遊ぶ際、いつも安全面に関して心配になることです。

お勧めの観光地
 私の住むサンセット地区ですが、オルテガ・ストリートと28ストリートにある貯水池から見える海とゴールデン・ゲート・ブリッジ。ポトーラ地区の坂の上から眺めるサンフランシスコ・ダウンタウンとベイブリッジは穴場ですね。日本からお友だちが来ると、いつも連れて記念撮影します。

5年後の自分に期待すること
 健康で、長年行っていないバカンスに行くことができればいいですね。

自分を動物にたとえると?
 パグ。いつも世話されてますから。

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取材を終えて
 日系社会の活動に熱心な日本人両親の下で育ち、堀切さんも若い頃から両親や日系社会のリーダーたちと一緒に日本町の盛り上げようとがんばってます。仕事やボランティアの話になると笑いが絶えなく、本当に楽しんでいるように感じました。堀切さんが制作した、SF日本町にある歴史掲示板を見つけたらぜひ読んでみてください。

(BaySpo 2011/09/09号 掲載)

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