一般編  Vol.221
森脇 京子さん
岐阜県出身。津田塾大学大学院理学研究科で数学を専攻。1996年からモトローラ株式会社でエンジニアとして携帯電話のインフラ設計業務などに従事。退職後に桑沢デザイン研究所でデザインを学び、その後、日本IBMでWebデザイナー。2011年に渡米。夫と息子の3人家族。
子ども達とみんなで楽しむ
初めての海外生活がベイエリア。辰年生まれの子ども達のプレイグループ「龍の子会」を主宰。他のグループと合同で様々なイベントの企画や実施をしているという森脇さんにベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
森脇 京子さん

(Kyoko Moriwaki)BaySpo 1465号(2016/12/23)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 アメリカ系企業に勤めていた夫が本社に転籍することになり、2011年の夏に渡米しました。40歳にして初めての海外生活、人生何が起こるかわからないものです。

ベイエリアの印象
 気持ちのいい空気と青空が一番の魅力です。日系スーパーもあり、公園も充実しているので子育てにはとても適しているエリアだと思っています。

現在打ち込んでいること
 「龍の子会」というベイエリアに住む、辰年生まれ(2012年生まれ)の子ども達を中心としたプレイグループを主宰しています。月に2回の公園でのプレイデートの他に、イースターのエッグハント、ハロウィン、クリスマス会などのイベントも行っています。去年は、他のグループと合同で「おゆうぎ会」を、今年は運動会も開きました。企画も準備も大変ですが、協力して下さるお母さん達とワイワイ準備をして、子ども達とみんなで楽しんでいます。あるお母さんに「龍の子会の活動のモチベーションは何ですか?」と聞かれたことがありました。その時はうまく答えられなかったのですが、今答えるとしたら、一つは「子ども同士の思いがけない組み合わせで、面白い作用が生まれる」ことだと思っています。龍の子会に参加すると、お母さん同士が約束するプレイデートとは違った子ども達が遊ぶことがよくあります。そうすると「初めて高い滑り台から下りられた」「自転車に乗れた」など色々面白いことが起こります。一時期、会の参加者が減り、辞めようかと悩んでいた時もありました。お母さん同士、子ども同士が仲良くなり、会がなくてもそれぞれプレイデートをするようになり、習い事やプリスクールもありますので仕方がないと思っていました。それでも、子ども達の思いがけない出来事に立ち会うと、辞めなくてよかったと思います。いつまで必要とされるか分かりませんが、これからキンダーに行き始めると、友だちと日本語で遊ぶ貴重な会になるかもしれませんので、出来る限り続けていくつもりです。ベイエリアに引っ越して来られたばかりの方にも友だちが出来る良いきっかけになると思います。新しい方、いつでも大歓迎です。

「龍の子会」を主宰するようになったきっかけ
 「龍の子会」は私が立ち上げたのではなく、企画力、行動力に優れた友人が立ち上げたプレイグループです。その友人が旦那様の仕事の都合で引っ越してしまったため、引き継ぎました。友人がベイエリアに戻ってくるまで何とか潰さないようにと頑張っています。ベイエリアには、辰年だけでなく、うさぎ年、へび年、うま年、ひつじ年、さる年のプレイグループがあります。各年にそういう行動力のあるお母さん達がいらっしゃるのはすごいことですよね。

英語を使うこと
 日本では、外資系企業2社で10数年働いていましたので、それなりに英語は使っていたはずだったのですが、渡米してからは英語で苦労しています。渡米して5年、この英語力のままでは日本に帰れません。

英語で失敗したエピソード
 ある時期、私の電話番号を騙ったセールスの電話がある人に何度もかかっていたらしく(どういう仕組みかは分かりません)、いきなり「休暇中にまで電話をかけてきて迷惑だ!」と怒りの電話が私のところに来ました。私が何を言っても怒っていて聞いてくれなかったのですが、「こんなつたない英語でセールスするわけないでしょう」と言ったところ、「それもそうだな」と納得して電話を切ってくれました。失礼な話です(笑)。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 今の状況だと相手の話す内容を100%理解出来ることは残念ながらあまりないので、ネイティブだったらどう感じるのかちょっと想像が出来ません。やってみたい仕事がいくつかあるのですが、それはネイティブではなくても実現したいですね。

あなたにとって仕事とは?
日本でエンジニアとして勤めていた時には、残業に出張とハードワーカーでした。ちょうど携帯電話が普及し始めた時期で、自分の担当したエリアが開通していくことにやりがいを持って仕事をしていました。苦労もたくさんありましたが、担当のお客様と一緒に開業を喜んだこと、認められたことなどが今でも自分の中の自信として存在していると思います。
現在、住んでいる家
 サンマテオ市内の2ベッドルームのタウンハウス。

乗っている車
 渡米してすぐに購入したフォルクスワーゲンのJETTAです。渡米時にペーパードライバー歴20年だった私の涙と冷や汗がたくさん染み込んでいます。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 朝は7時過ぎに起床、夜10時半就寝。子どもが生まれてから早寝早起きになりました。

休日の過ごし方
 夫が作るワカモレなどをブランチに食べてから、公園に出かけたりショッピングに行ったりとのんびり過ごすことが多いです。家族で釣りに行くこともあります。今年の夏はキャンプにも何度か行きました。

最もお気に入りのレストラン
 たまに行くなら、パロアルトにある「Sundance The Steakhouse」です。

よく利用する日本食レストラン
 「KOKKO」。

1億円当たったとして、その使い道
 友人家族を自宅に招いて一緒に食事をするのが好きなので、ダイニングとリビングの広い一戸建ての家を買いたいです。庭には果物の木を植えるのが子どものころの夢でした。でも、今のベイエリアでは1億円では足りないですね。

日本に戻る頻度
 1年に1回、夏休みの間に戻ることが多いです。

現在のベイエリア生活で不便を感じるとき
 普段はほとんど不便を感じませんが、体調が悪い時にはやはり困ります。車を運転しないと買い物が出来なかったり、気軽に日本食のお弁当が買えなかったりしますので。でもその分、友人たちが助けてくれるので感謝でいっぱいです。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 家の値段が高騰していること。親しい友人家族が何組も引っ越してしまいました。

お勧めの観光地
 Big Basin Redwoods State Parkです。大木の森の中でのキャンプは素晴らしい体験でした。Nature Tourもおすすめです。蚊が多いので虫対策は必要です。アメリカ以外ではモンゴルが好きで、何度も旅行に行きました。果てしなく広がる草原と満天の星空に圧倒されます。ベイエリアでフリーウェイの280号線を車で走ると少しモンゴルの草原に似ています。羊ではなく牛がいますが。

日本に郷愁を感じるとき
 年末年始です。年越し蕎麦、お節料理、初詣・・・。家族と一緒に日本らしいお正月を過ごしたくなります。

永住したい都市
 今はベイエリアでの生活が気に入っていますが、年を取ってきたら日本に住みたくなるのではと思っています。海の見える町がいいですね。

5年後の自分に期待すること
 子どもがまだまだ小さいので、5年後も健康第一!

最も印象に残っている本
 村上春樹の『辺境・近境』。モンゴル、アメリカ大陸横断、メキシコ、香川、震災後の神戸などを訪れた旅行記で、時々本棚から出してきて読んでいます。元々、私はモンゴルが好きで、ノモンハン事件に関する本を何冊も読んだ時期があって、そのうちの1冊です。日本にいたころは「ノモンハンの鉄の墓場」と「讃岐・超ディープうどん紀行」の章が好きでしたが、アメリカに来てからは「アメリカ大陸を横断しよう」の章をよく読みます。いつかアメリカ横断旅行をするのが夢です。アメリカの広さを点ではなく、線で実感してみたいです。

最近読んだ本
 西原理恵子の『ダーリンは70歳』。著者と恋人のラブラブな日々が描かれています。おじさん・おばさんになっても、おじいさん・おばあさんになっても、仲良くラブラブ。素敵だなと思いました。

最近観た映画
 『The Martian』。宇宙飛行士が火星に独り取り残される話です。

自分を動物にたとえると? なぜ?
 いのしし。亥年というのもありますが、猪突猛進だとよく言われます。

座右の銘
 有言実行。

(BaySpo 2016/12/23号 掲載)

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