一般編  Vol.228
満知子 シオザキさん
アメリカ生まれの母とアーティストの父の間に生まれる。9歳で渡米、アートに囲まれた環境で育つ。大学ではファインアートと美術史を専攻。卒業後はアートギャラリー勤務、現在はパロアルトでアンティーク、木版画などを取り扱う「キムラ・ギャラリー」を経営。
日本のアートと手工芸品を広める
サンノゼ出身の母とアーティストの父を両親に持ち、9歳のときに一家でサンフランシスコに移住。父のギャラリーで芸術に囲まれて育ったという満知子さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
満知子 シオザキさん

(Machiko Shiozaki)BaySpo 1479号(2017/03/31)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 母はサンノゼ生まれですが、戦前、家族で日本に帰国しました。その後も母はアメリカにずっと戻って来たかったので、私が9歳の時に家族でサンフランシスコに移り、その後50年以上ベイエリアで暮らしています。

ベイエリアの印象
 サンフランシスコに来た時は9歳でしたが、「なんだか夢を見ているみたい」と思ったことを今もよく覚えています。大きくなるにしたがって、ベイエリアのダイバーシティ(多様性)や多国籍な文化にふれることを楽しむようになりました。もちろんサンフランシスコ湾や海、山々、草原など自然や、その美しい風景も素晴らしいです。 

日系コミュニティとのつながりについて
 みどり会というサンノゼにあるグループに所属しています。みどり会は日系アメリカ人コミュニティをサポートする働く女性のグループで、年に1度ファンドレイジングのためのブティックセールを開催します。そこで得た売り上げはサンノゼの日系アメリカ人博物館や友愛会などに寄付されています。

自分の専門分野について
 パロアルトで日本のアンティークやアート作品を取り扱う「キムラ・ギャラリー」を経営しています。店内にはアンティークの和箪笥や日本の布、木版画、工芸品、現代の日本人アーティストによる作品などを置いています。私が専門としているのは木版画です。

その道に進むことになったきっかけ
 アーティストだった父が、約50年前にサンフランシスコにアートギャラリーをオープンしました。父はオーダーメイドの額縁や額装の注文も受けていました。そんな環境でアートに囲まれて育ち、大学ではファインアートを主専攻、副専攻に美術史を選択しました。大学卒業後は父のギャラリーで働き、サンフランシスコやニューヨークのアートオークションに父と一緒に行ったり、日本のアーティストに会いに行く時に同行するなどしました。

日本語で仕事をするということ
 9歳でアメリカに来たので、今ではほとんど日本語を忘れてしまっています。でも、日本人のお客様がギャラリーにいらっしゃったときは、覚えている日本語で話せるのでうれしいです。日本語の練習を楽しんでいます。

日本に住んでいたらどんな仕事を?
 やはり木版画や陶芸、ファブリックアートなど、アートの世界でのキャリアを積みたいと思っているでしょうね。

あなたにとって仕事とは?
 自分にとってとても大切なもの。喜びや幸せをくれ、アートの素晴らしさや豊かな日本の文化を人々とシェアできるもの。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 サンフランシスコに来る前、日本で母が教師をしていたこと、学校で受け持ってもらった先生が大好きだったことから先生になりたいと思っていました。いつも優しくて、みんなを励ましてくれる先生で、私たち家族がアメリカに行くとなったとき、先生とクラスの全員がお別れを言いに来てくれたのは一生忘れません。

いまの仕事に就いていなかったら
 もし別の何かをするチャンスをもらえたとしたら、アーティストがいつでも好きなときに来て制作できるようなスペースを作りたいです。

好きな場所
 バークレーの4thストリートです。面白いお店や美味しいレストランがたくさんあるので。 

最もお気に入りのレストラン
 バーリンゲームにあるタイ料理レストラン「Narin」。家族で経営しているレストランで、お母さんのレシピが守られている味がとても美味しいレストランです。

よく利用する日本食レストラン
 サンノゼの「リンガーハット」。長崎ちゃんぽんが大好きで、デザートもとても美味しいです。サンマテオの「居酒屋 舞」もよく利用していて、普通のサイズとは別に小さいサイズが選べるので、一度にいろいろな種類が食べられることも気に入っています。

1億円当たったとして、その使い道
 木版画家、セラミック、テキスタイル、ペーパークラフトなど様々なアーティストが作品を発表できる非営利のアートセンターを作りたいです。アーティストだけでなく現在アメリカに住まわれている多彩な才能を持つ日本人が、その才能を広くシェアしたり、クリエイティブアートを学べる場所にしたいです。

日本に戻る頻度
 年に1度、ラッキーな年は2度行きます。東京でアーティストのスタジオを訪れたり、ライフスタイルを拝見したりするのが好きで、京都では寺院・庭園・博物館などを訪れます。蚤の市で私が一番だと思うのは、品数が多くて値段もリーズナブルな、川越と浦和(調〔つきのみや〕神社)の骨董市です。

最近日本に行って驚いたこと
 オーガニック栽培の家庭菜園を作っている人に会ったこと。中には田んぼを借りて自分で稲作をしている人もいたこと。

日本に持って行くお土産
 ナッツやジャーキーなどアメリカ製の食品や、地元産の珍しいものなどです。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 蚤の市で見つけた民芸品、料理に使う乾物、トトロのグッズ、孫には可愛いおもちゃなどを持ってきます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 人生の大半をベイエリアで過ごしているので、最近の交通渋滞のひどさには不便を感じます。あと日本のスーパーがもっとあるといいなと思います。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 やはり交通渋滞と生活コストの高騰でしょうか。

日本に郷愁を感じるとき
 温泉! そして食べ物!

お勧めの観光地
 みんなに日本に行くように勧めています。特に京都。お勧めは有名な清水寺と龍安寺の石庭です。ギャラリーで木版画を多く取り扱っていますので、版画の題材として使われる場所を訪れるのが好きなので。

永住したい都市
 カナダのバンクーバーです。サンフランシスコと同じように綺麗な都市で、空気が良くて、人々がフレンドリーな場所だから。

5年後の自分に期待すること
 そろそろリタイアを考える年齢ではありますが、5年後も日本の美しいアート作品や工芸品をアメリカで広めていたいです。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 ウサギです。いつも仕事で跳ね回っているので。そして卯年生まれだから。

(BaySpo 2017/03/31号 掲載)

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