一般編  Vol.243
隆島 知明さん
1966年生まれ。東京都出身。1992年に貿易会社の米国子会社へ出向。ロサンゼルスで日系書店勤務の後、ベイエリアの本部へ異動し、経理業務を経て、現地責任者兼任となる。2016年夏よりサンフランシスコ日本町にて、日本の陶食器を扱う「Sanko Kitchen Essentials」の運営も兼務。家族は中米エル・サルバドル出身で看護師の妻、防衛関連の企業に就職した長女(ワシントンD.C.在)、カリフォルニア大学デービス校でバイオを勉強中の次女の4人家族と、ペットのインコ1羽。日系NPO団体の北加日米会の理事で、会計を担当。趣味では國誠流詩吟会で詩吟を習ったり、漢詩の勉強会に参加している。
日本の文化や商品を世に広めたい
日本の商品を全米へ卸販売する、JPT AMERICA, INC.で現地責任者を務めながら、サンフランシスコ日本町のSanko Kitchen Essentialsを運営している隆島さんにベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
隆島 知明さん

(Tomoaki Takashima)BaySpo 1518号(2017/12/29)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
大学を卒業後就職した日本出版貿易株式会社から子会社のJP Trading, Inc.(現JPT AMERICA, INC.)へ出向という形で、1992年に渡米しロサンゼルスの支店に赴任しました。その後、本社のあるベイエリア勤務となりました。

ベイエリアの印象
 ロサンゼルスより緑が多く、自然豊かで空気の良いところだなという印象です。夜には気温が下がるロサンゼルスとは違い日中も涼しいと感じました。

自分の専門分野について
日本の商品を全米へ卸販売する会社で現地責任者をしています。中小企業で少人数なので、会社全体の管理のみならず経理実務も担当しています。また、2016年夏からサンフランシスコ日本町で、日本の陶食器を扱う小売店「Sanko Kitchen Essentials」を運営し始めたので店舗管理も手がけています。

その道に進むことになったきっかけ
 子供の頃に家族旅行でヨーロッパにアンカレッジ経由で行った時に、アンカレッジ空港内にうどん屋さんがあったり、パリに日本のデパートが進出していて外国に日本人が住んで仕事をしていることに驚きました。世間知らずの子供でしたし、当時はインターネットもなかったので外国の情報がほとんどありませんでした。その体験をきっかけに、自分も外国に住みたいと思う様になりました。就職活動では、海外に支店がある会社を探して入社し、アメリカ駐在の希望を出していたところロサンゼルスに勤務することが決まりました。ロサンゼルス勤務時代は、リトル東京内にある日系書店のアシスタントマネージャーでしたが、その後ベイエリア本社の経理部門に異動し、現地責任者になりました。

英語で仕事をするということ
会社の皆さんは日本語が通じるので、あまり英語は使わず楽させて頂いています。

英語で失敗したエピソード
 「Water Color」というタイトルがついた日本人アーティストのCDアルバムの注文を受けたのですが、「終わったから」と聞こえてしまい、そんなタイトルのCDは存在しないと言われ入手できなかったことがあります。電話だと「英語の出来る人に代わって」と言われたことがよくありました。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 通訳や翻訳の仕事です。日本の文化や商品を丁寧に説明する仕事が良いかと思います。

あなたにとって仕事とは?
 働くということは誰かの役に立つことや、世の中に貢献するということだと思いますが、貢献度合いを気にすると自分は大して役に立っていないと思ってしまうので、あまり気にせず、周りに迷惑を掛けない様に心がけています。

生まれて初めてなりたいと思った職業
動物園の飼育係になりたいと思っていた気がします。

いまの仕事に就いていなかったら
 アメリカの田舎の方で骨董品を探して売るという番組に興味を持ったことがあるので、アンティークの買付けと販売をしたら楽しいかもしれませんね。

現在、住んでいる家
 サウスサンフランシスコのタウンハウス型のコンドで、2ベッドルーム、1バスルームです。

乗っている車
 NissanのAltimaです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 睡眠時間は7時間です。週末は少し遅くまで寝ていますが、平日は朝5時半に起床し、夜10時半に寝ています。

休日の過ごし方
家の掃除の手伝い、買い物、ジムで軽く運動、夜はネットフリックスで映画を見るなど。基本的には家族の都合にあわせて過ごしています。

好きな場所
 クリッシー・フィールド辺りからゴールデン・ゲート・ブリッジを眺めるのが好きです。

最もお気に入りのレストラン
 ミルブレーにあるイタリアンレストラン「O Sole Mio」のピザ、サンカルロスにあるイタリアンレストラン「Delizie」のリゾットが美味しいです。イタリアンレストランに行くことが多いですね。

よく利用する日本食レストラン
 会社の近所にあるラーメン店「ひのでや」さんです。ランチにラーメンを食べに行ったりします。

1億円当たったとして、その使い道
 きっと当たらないと思うのですが、証券業界でインターン経験がある長女に運用を任せて増やしてもらいたいですね。

日本に戻る頻度
 2年に1度くらいです。

最近日本に戻って驚いたこと
 こちらに比べるとマスクをしている人が多いなと感じました。病気の予防もさることながら、風邪などをうつさない様にという他人への配慮や気配りが日本的だと思います。

日本に持って行くお土産
 地元、サウスサンフランシスコに本店がある「シーズ・キャンディ」のチョコレートです。地元のお土産と言って渡します。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 羊羹など、甘いものが多いです。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 公共交通機関が少ないことと、車の渋滞がひどいところでしょうか。それとガソリン代が全米一高いということで困りますね。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 サンフランシスコ日本町周辺の歩道には、ゴミがたくさん落ちていて日本に比べると汚い印象です。サンフランシスコ日本町で商売をしているのでイメージタウンにならないか不安です。

日本に郷愁を感じるとき
 オーシャンビーチやパシフィカで海を眺める時に、この先に日本があるんだと頭に浮かびます。それを郷愁と言うのかも知れないですね。

お勧めの観光地
 夏に遊びに行った、妻の母国エルサルバドルのPraya El Tuncoという隠れリゾート的なビーチがお勧めです。「Tunco」は、スペイン語で「豚」の意味で豚がひっくり返った様な岩が特徴の浜辺です。ベイエリアの冷たい海水では泳げませんので、何十年振りで海水浴を楽しみました。サーフィンでも有名のようです。

永住したい都市
南仏のマルセイユですかね。子供の頃に家族旅行で訪問して以来、いつか訪ねてみたいと思っています。温暖な気候の港町で暮らしてみたいです。

5年後の自分に期待すること
 健康であれば良いですが、今以上に頑張って働かないとリビングコストの高いベイエリアから追い出されるかも知れませんね。

最も印象に残っている本
 石川好の『ストロベリー・ロード』。1960年代にカリフォルニア州の農園で働いた時の体験記で、かつて私の勤務地だったロサンゼルスのリトル東京の昔の繁栄などについても書かれていたので印象に残っています。

最近読んだ本
 少々古いものですが『I SEE ALL』というカラー図解英語百科辞典が枕元に置いてあり、時間があるとパラパラと絵や写真を見て、英語で何と言うのか確認しています。

最も印象に残っている映画
 『グラン・ブルー(Le Grand Bleu)』というヨーロッパの映画です。潜水夫ジャック・マイヨールの話で、海の映像が綺麗でイルカと戯れるシーンも印象的でした。

最近観た映画
 ネットフリックスで『Zodiac』を観ました。昔にベイエリアで実際に起きた連続殺人事件の話です。殺人犯は犯行後に、新聞社に犯行声明文を送り付けたりしましたが、半世紀たった今でも事件は解決に至っていないので、いつか犯人が特定されるのを期待しています。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 牛ですかね。仕事や動作が遅く、そう言われたことがあります。

座右の銘は?
 「働かざる者食うべからず」。これから少子高齢化が進むと働き続けないと生きていけない気がしています。労働の対価として賃金を得るだけではなく、社会貢献も働くの中に入るのではと思っています。

(BaySpo 2017/12/29号 掲載)

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