一般編  Vol.242
松下 史佳さん
UCサンフランシスコ医学部循環器科研究アシスタントとして働く傍ら、サンフランシスコ州立大学健康教育学部で非常勤講師として教鞭をとる。2017年夏に全米ヨガアライアンスRYT200修了。週末はバークレーのコアパワーヨガでインストラクターとしてヨガを教える。サンフランシスコ州立大学公衆衛生修士課程修了。趣味はNFLフットボール観戦とバーでビールを飲むこと。
仕事は自分を成長させてくれるもの
UCサンフランシスコでリサーチアシスタントとしてアカデミックな分野で働く傍ら、週末はヨガのインストラクターとして活躍する松下さん。小柄な見た目からは想像もつかないような、向上心と探求心にあふれたそのパワフルな暮らしぶりを伺いました。
松下 史佳さん

(Fumika Matsushita)BaySpo 1517号(2017/12/22)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 友人がサンフランシスコに留学をしたのをきっかけに、ちょくちょく遊びにくるにようになり、私も短期語学留学をしてみようと思ったのがきっかけです。最初は一年だけの予定だったのですが、2002年に渡米して以来、ずっとベイエリアで暮らしています。

ベイエリアの印象
 初めてサンフランシスコに来た時が夏だったので、「寒いなぁ」「霧ばっかりで暗い街だなぁ」という印象でした。後になって、アメリカの他のエリアで苦労している日本人の話をきいて、自分がいかに暮らしやすい環境にいるか気がつきました。

自分の専門分野について
 幅広いパブリックヘルスの分野の中でも、最初は地域社会の健康の改善に興味があったのですが、いろいろな教授たちとの出会いとサポートによって、現在の疫学生物統計学の道に進むことになりました。現在働いているUCSFではストレスと心臓病のリスクについてデータを分析しています。

その道に進むことになったきっかけ
 それまで、人が健康なのは遺伝や、個人の努力だと思っていたのですが、Social determinants of health(人々の健康が社会や経済から影響を受けること)という考え方に出会い興味を持ち、学んでいくうちに、アメリカの健康格差を緩和するために少しでも役に立ちたいと思うようになりました。

英語で仕事をするということ
 英語だからと自分自身に言い訳をしないことだと思います。正直に言えば常に不安です。リサーチアシスタントの仕事で「上手くプレゼンができなかったら」、大学講師として「生徒の質問に答えられなかったら」、ヨガのインストラクターとして「誘導する言葉を忘れてしまったら」、そんな不安はいつもあります。どの仕事もごまかしはきかないので、相手に何をどうやったら伝わるかを考えて、前もって十分に準備をすることが自分には必要だと思い、常日頃心がけています。

英語で失敗したエピソード
 何から話したらいいか数え切れないぐらい沢山あります。失敗して落ち込んだらヨガにいってストレス解消の毎日です。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 現在と同じ仕事に就きたいと思いますが、もし英語が母国語だったらカリフォルニアを出てみたいですね。ボストンやニューヨークで仕事をしてみたいですが、今のままでは、あまり通用するような気がしません。

あなたにとって仕事とは?
 自分を成長させてくれるものだと思います。常に新しいことを学ぶ楽しさ、失敗や工夫を繰り返して困難を克服する精神力、人種や世代にとらわれないコミュニケーション力など、仕事の経験から得てきたものは何事にも代えられません。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 小さい頃は早く結婚して専業主婦になりたいと思っていました。

いまの仕事に就いていなかったら
 バーテンダーは憧れの仕事の一つです。就活をしていた頃になかなか仕事が見つからず、バーテンダーをやってみたいと思っていました。もし、あと半年ぐらい仕事がみつかっていなかったら、間違いなくやっていたと思います。(雇ってもらえるかどうかは別ですが)

現在、住んでいる家
 2008年からケンジントンに小さな家を購入して暮らしています。

休日の過ごし方
 自分の担当しているヨガクラスが土曜日なので、自身の練習も含めてスタジオにいることがほとんどです。夏にはキャンプにいくことも多いですが、フットボールシーズン中の日曜日はオークランド・レイダースのスタジアムで応援しているか、スポーツバーでゲーム観戦しているかのどちらかです。

好きな場所
 近所のティルデンパークにインスピレーションポイントというところがあるのですが、そこから夕日が沈むのを眺めたり、満月を見に行ったりするのが好きです。

最近日本に戻って驚いたこと
 エレベーターの中で皆壁を向いて立っていることでしょうか。

日本に持って行くお土産
 日本でも知名度が高いブルーボトルコーヒー、ダンデライオンチョコレート、スタバの地域限定マグカップなど。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 和食器やお箸など、ベイエリアで手に入らない質やデザインのものを見つけると、ついつい買って持って帰ってきてしまいます。

日本に郷愁を感じるとき
 大晦日から新年にかけてです。SNSなどで日本の人たちが新しい年を迎えて盛り上がっている様子がうかがえるのに、こちらはまだ大晦日の昼間という、いつも出遅れた感があります。

1億円当たったとして、
その使い道
 老後のハワイ島への移住資金にしたいと思います。

最もお気に入りのレストラン
 これといって決まったレストランはありませんが、一つ挙げるならばサンフランシスコの「Kokkari Estiatorio」です。ホリデーシーズン限定メニューは毎年必ず食べにいくことにしています。

よく利用する日本食レストラン
 和食は自分で作る方が好きなので、あまり日本食レストランには行きませんが、ダウンタウンバークレーの「一風堂」に並んでいる人が少ない時には、今だ! と思ってついつい入ってしまいます。

最も印象に残っている映画
 コメディ映画が好きなのでサンドラブロックが主演の映画はよく観ます。なかでもThe Proposal (邦題/あなたは私の婿になる)は数え切れないぐらい観ています。

最近観た映画
 飛行機の中で『ラ・ラ・ランド』を観たのですが、普段「もし〜たら」ということをあまり考えないので、久しぶりにそんなことを考えるきっかけになりました。

日本に戻る頻度
 2年に一度ぐらいです。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 特にありませんが、気がついていないだけだと思います。

お勧めの観光地
 ヨセミテ国立公園には四季を通してよく行きます。中でも冬の静かな公園が大好きです。

永住したい都市
 バークレーが大好きですが、老後はハワイ島の田舎でのんびり暮らしたいと思っています。

5年後の自分に期待すること
 健康であることと、仕事を通して成長し続けたいと思います。

最近読んだ本
 津川友介『「原因と結果」の経済学』。とても読みやすく、面白いと思いました。

座右の銘は?
 『You must do the things you think you cannot do.』
(Eleanor Roosevelt )

(BaySpo 2017/12/22号 掲載)

▲Topに戻る

有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers
Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
2695 Moorpark Ave, Ste 101, San Jose, CA, 95128
http://www.arisawaagency.com

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.