一般編  Vol.266
小林 グレイ 愛子さん
東京生まれ、ウォルナットクリーク在住。女子美術大学洋画科卒業。タペストリー手織り作家。日本、スペイン、グアテマラ、北カリフォルニアなどで個展、グループ展に出展するほか、グアテマラの布コレクション展を毎年東京で行なう。この他、フレーム織り、グアテマラ式棒織のワークショップで織の指導を行う。また、グアテマラの民族衣装コレクター、グアテマラツアーの企画、日本の雑誌・本などの執筆も手がける。www.aikokobayashi.com
「好きなこと」だけして生きていく
タペストリー手織り作家。日本、スペイン、グアテマラ、北カリフォルニアなどで個展、グループ展に出展するほか、フレーム織り、グアテマラ式棒織のワークショップで織の指導を行う。また、グアテマラの民族衣装コレクター、グアテマラツアーの企画、日本の雑誌・本などの執筆も手がけるなど、多岐にわたり活動する小林さんにベイエリアの暮らしぶりを聞きました。
小林 グレイ 愛子さん

(Aiko Gray Kobayashi)BaySpo 1552号(2018/08/24)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 グアテマラで知り合った米国人、ロイター通信のカメラマンと結婚し、娘が当地で生まれました。その後、日本に移り9年住んだのですが、娘の不登校がきっかけで1998年に渡米。住む国は米国以外と思っていた私にはショックでした。

ベイエリアの印象
 大きな木がたくさんあり、一年中咲いている花々が印象的です。自然が豊かで、気候がいいベイエリアはスペースが広くのびのびとしています。特に大嫌いな蚊とゴキブリがいないのが嬉しいです。

自分の専門分野について
 好きなことだけをやってきました。油絵を描くことから始まり、織物で絵を描くのが今のライフワークです。織の指導をはじめ、グアテマラツアーの企画、日本の雑誌・本などの執筆、グアテマラの民族衣装のコレクターなど多岐に渡ります。現在は、犬好きなのでドッグシッターの仕事が加わりました。

その道に進むことになったきっかけ
 北欧の美術館でインカの古い布を見たことがきっかけで、織の道に進むことになりました。動きのある人物像の織物を見て、「私の求めていたのはこれだ」と思いました。そして織物の技術を習い、自分に相応しいゴブラン織りを選んで今日まで来ています。1985年に初めてグアテマラを旅し、未だに手織りの民族衣装を着ている人たちを目の当たりにしてすっかり魅せられてしまいました。2年半グアテマラに住み、娘が生まれ、そのあと日本に移った時期もありましたが、今でも毎年2〜3回は訪れています。織物もグアテマラもどちらも手放せないほど大好きです。

英語で仕事をするということ
 学校での勉強が得意でなかったので、今でも混乱します。大して言いたいことが伝わっていないように思いますが、それでも今日まで生きてこれたのでこんな英語でもいいのかなと思っています。

英語で失敗したエピソード
 電話の応対の時の話です。自分ではペラペラと英語で話しているつもりでしたが、スペイン語で話していると気がついた時には、相手に電話をすでに切られていました。また、アメリカ人と日本人を連れてグアテマラを旅するのは大変です。スペイン語スピーカーのドライバーに対して、英語で話しかけたり、日本語でアメリカ人に通訳をしたりすると「ロングランゲージ!」と言われます。結局誰にも通じず、もう1度言い直さなければならないのでとても疲れます。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に
 織や布の解説を英語でしてみたいです。つまり同じ仕事ですね。英語を基本に何カ国語もネイティブだったらいいなと思います。

あなたにとって仕事とは
 タペストリーを織るのが私のライフワークです。それで生活が成り立たなくても、私自身が成り立つための大事な核だと思っています。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 絵描きです。

いまの仕事に就いていなかったら
 これしかあり得ません。好きでたまらないことが仕事になるなんて、これほど贅沢なことはないです。

現在、住んでいる家
 1998年の夏から同じ家に住んでいます。古くて小さいですが、娘と同じ誕生日の番地をオープンハウスで見つけた時には鳥肌が立ちました。ここに住むことになると分かっていたので。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 犬を早めに寝かせ、早く起きるのが習慣となりました。9時には寝室に入り、5時に起床しています。

休日の過ごし方
 日曜の午前中は、日本人教会のシカモア教会に行きます。午後は犬とドッグパークで遊んだり緩くて幸せな週末を過ごしています。

好きな場所
 犬と散歩するバイクトレールが好きです。昔、電車が通っていた線路跡が散歩道となっていたり、クリーク沿いに網の目のように広がっています。緑や花の色の移り変わりで季節を感じることができ、リスやさまざまな鳥たち、七面鳥の家族、たまにシカやアライグマも出てくるので楽しいです。

よく利用する日本食レストラン
 ウォルナットクリークの「IKOI」とオークランドの「Geta Japanese Restaurant」です。

1億円当たったとして、その使い道
 グアテマラで大きな家を持ちたいです。20人ぐらいが宿泊できる、地元の人たちに役立つワークショップができるギャラリー付きの家が理想です。残ったお金で子供たちの教育のための奨学金制度を作りたいです。

日本に戻る頻度
 年に1回の布のコレクション展、または個展のために日本に戻っています。

最近日本に戻って驚いたこと
 仕事が終わってから、必ず福島でワークショップのボランティアや旅をするのですが、関東以南は中国人などのアジア人旅行者が多くて驚かされます。観光地だけでなく隅々で出会うのですが、年々多くなっているように感じます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 日本食やお菓子類の食べ物中心です。この他、読みたい本や日本で手に入れる絣、藍染の古い布類など持って帰ってきます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 私が住んでいる地域では、週末は特に電車、バスの本数が少ない上、電車での移動は乗り換えの接続が不便だったり、遅延したりで時間通りに着くことはありません。どうしても日本の交通機関の便利さと比較してしまいます。車で移動する場合は時間帯によって渋滞に引っかかりますし、いずれにせよ交通手段に不便を感じています。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 医療費の高さに伴う高額な保険料です。銃規制がなく、どこでシューティングが起こるかわからない不安も感じます。また、教育費の高騰(特に大学の学費)、高額なシニアホームなどを考えるとお金持ちしか生き残れない国だなと思います。老後はちょっと住めないかもしれません。
日本に郷愁を感じるとき
 四季折々の季節感、温泉、新鮮な魚が恋しくなった時です。

お勧めの観光地
 グアテマラの山々の村。イシル地域、コバン地域、アティトラン湖周辺がお勧めです。

永住したい都市
 グアテマラのアティトラン湖湖畔です。

5年後の自分に期待すること
 仕事は少し減らしながらも今と同じように好きなことに囲まれていたいです。

最近読んだ本
 ピーターキャンビー著『マヤ神秘を開く旅』です。1990年前後にグアテマラで知り合った友人や知人が出てきてワクワクしました。加えて、この本を日本語で読めることに感激しました。

最近観た映画
 最近はハズレが多く、3〜4年前の『East Side Sushi』 はよかったです。

座右の銘は?
 「神は愛なり」。これは聖書の言葉です。クリスチャンホームで育った私の名前の「愛」は神に愛されるようにと両親に名付けられました。「愛に基づいた生活とは、人を裁かない、人を蔑まない、人と戦わない」と最近の日曜礼拝で受けたメッセージです。ちっとも近づいていませんが、こういう愛の人になりたいです。

(BaySpo 2018/08/24号 掲載)

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