一般編  Vol.267
上野 亜希さん
大分県生まれ。2004年に青山学院大学法学部を卒業後、NTTコムウェア株式会社に入社。2011年に渡米。2018年5月より「A.K.I Photography」という名でフォトグラファー(写真家)としてビジネスをスタートさせる。
一期一会から広がる幸せ
IT企業に就職した後、ご主人と渡米してきたのを機に退職。子育ての傍らカレッジに通ったり、日本の写真スタジオなどで実務経験を経て、今年の5月より「A.K.I Photography」という名でビジネスをスタート。夢の実現へ向かって日々着実に歩みを進めている上野さんにベイエリアの暮らしぶりを聞きました。
上野 亜希さん

(Aki Ueno)BaySpo 1553号(2018/08/31)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 夫の仕事の都合で働いていた会社を退職し、2011年に渡米してきました。

ベイエリアの印象
 渡米したのが真夏だったのですが、サンフランシスコに住んでいた時にエアコンが要らないことに驚きました。一年中、日本の春や秋みたいな気持ちの良い気候で、雨の日も少なく、とても過ごしやすいです。また、どの街にも街路樹や花壇が整備され、とても綺麗なところだと感じました。

自分の専門分野について
 フォトグラファー(写真家)です。「A.K.I Photography」という名前で2018年5月にビジネスをスタートさせました。最初に頂いたお仕事は、光文社様の「美ST8月号(2018年6月発売号)」巻頭企画の撮影でした。雑誌に自分の写真と名前が掲載されているのを見た時は、とても感動しました。他にも、ニューボーン、マタニティ、バースデー、七五三、渡米・帰国記念などのファミリーフォトや、ビジネス用ポートレート、法人のお客様向けには、イベントフォトや商品撮影なども承っています。

その道に進むことになったきっかけ
 もとは、大学時代に写真部に所属していたことです。また、渋谷にあるパソコン教室でアドビ・フォトショップやイラストレーターなどの講師をさせて頂いたことをきっかけに、フォトグラファーになりたいという夢を持ちました。ただ、当時は就職氷河期でもありましたし、フォトグラファーでは食べていけないというイメージもあり、その時はフォトグラファーへの道を断念し、IT系の企業に就職しました。その後、夫と渡米してきたのを機に退職。次は、自分の好きな「写真」を職業にしたいと思い、子育ての傍らカレッジに通ったり、日本に1年帰国していた際には写真スタジオなどで実務経験を経て、自分で納得のいくクオリティーが撮れるようになるまではボランティアで撮影を続けました。そして、ようやく今年の5月よりビジネスとして一歩を踏み出したところです。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に
 こちらのファッション系の業界でフォトグラファーをしてみたいです。他には、分野が全く異なりますが、大学時代に法学部だったこともあり、こちらで勉強をしなおして法律系の仕事なども経験してみたいです。

あなたにとって仕事とは
 自分を表現する場所、社会と繋がる場所、そして幸せをお裾分けしてもらえる場所です。特に、ファミリーフォトなどの撮影の場合は、マタニティ、ニューボーンフォトやお誕生日記念、帰国記念、七五三など、とても大切な場面に立ち会わせていただくことが多く、撮影を通してたくさんの幸せをお裾分けしてもらっています。また、撮影した写真をご家族みなさまの思い出のアルバムの1ページに加えていただけると思うと、とてもやり甲斐を感じます。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 パイロットです。子どものころ、パイロットになって世界中を旅するのが夢でした。部屋に世界地図を貼り、色々妄想していました。あの頃に、グーグル・アースやストリート・ビューなどがあったらどんなに楽しかったかと思います。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 子どもたちの学校が8時過ぎに始まるので、6時半頃に起床。子どもたちが寝静まった後に、自分の用事などを済ませて12時頃までには就寝するようにしています。

休日の過ごし方
 夫の趣味が自転車なので、サウサリートやハーフムーンベイなど海の景色が綺麗な場所に家族でサイクリングをしに行っています。また、夏場は近場でキャンプをしたり、冬はスキーをしに行ったりアウトドアをして楽しんでいます。

好きな場所
 好きな場所は「Henry Cowell Redwoods SP」です。トレイルの道が整備されていて、子どもと歩きやすいです。トレイル沿いには川遊びができる場所もあり、時折、頭上の鉄橋を蒸気機関車が通るので、子どもたちが喜びます。あとは、レイクタホです。去年、家族でスキーを始めて、シーズン中は5回ほど通いました。

最もお気に入りのレストラン
 バークレーにある「Chez Panisse」です。子連れで行くのは至難の技ですが、誕生日や記念日などに懲りずに行ってます。

よく利用する日本食レストラン
 子連れでも気兼ねなくいけるパロアルトの「YAYOI」や、お寿司や海鮮丼などを気軽に食べられるマウンテンビューの「Kappo Nami Nami」です。あとは、リバモアにあるサンフランシスコ・プレミアム・アウトレットに買い物に行くついでにダブリンの「Yakitori West」に足を伸ばしたりしています。

1億円当たったとして、その使い道
 1億円当たったら、レイクタホに別荘を買う資金にします(笑)。

最近日本に戻って驚いたこと
 東急ハンズに、トレーダー・ジョーズのエコバッグが売っていたことです。

日本に持って行くお土産
 今年の夏に帰国した際は、ナイキやリーバイスなどのロゴTシャツで「San Francisco」や「California」とプリントされているものをお土産に買って帰りました。あとは、セーフウェイなどで発売されている「MCCORMICK GOURMET™ JAPANESE SEVEN SPICE(日本の七味)」やトレーダー・ジョーズで発売されている「Yuzu Hot Sauce」など、日本で馴染み深い調味料だけど、パッケージがアメリカらしく可愛いデザインのものなども持って行きます。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 器が大好きなので、日本の食器やキッチン用品などを買って帰ります。あとは、子どもの日本語教育用の本、質の良い文房具などです。他には、こちらのシャンプーが肌に合わないので、いつも美容室で業務用のシャンプーを買って帰っています。今年は、七五三撮影用の着物やアクセサリーなども買って帰りました。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 ベイエリアに限ったことではないですが、アメリカ国内での銃の乱射事件などの話しを聞くと、とても不安に感じます。

日本に郷愁を感じるとき
 お正月です。こちらは、クリスマスは盛大に祝いますが、お正月は素っ気ないので日本が恋しくなります。毎年、大晦日には御節を作り、オンラインで紅白歌合戦をみて、除夜の鐘を聴き、家族で初日の出の撮影に行っています。日本にいたら、きっと御節は作らずに買っていました(笑)。

お勧めの観光地
 レイクタホです。夏は緑が気持ちよく水遊びやクルーズなど楽しめ、冬はスキーなどのウィンタースポーツを楽しめます。

5年後の自分に期待すること
 5年後にはもう少し英会話を上達させ、こちらのローカル誌などでのフォトグラファーを経験できていると嬉しいです。

最も印象に残っている映画
 『スタンド・バイ・ミー』。子どもの頃に観て、アメリカに憧れるきっかけとなった映画です。渡米してすぐに映画の舞台となった、オレゴン州にあるブラウンズビルまで遊びに行きました。映画の町がほとんどそのまま残っていて、とても感動しました。

座右の銘は
 「一期一会」です。ベイエリアという土地柄、出逢いや別れをいくつも経験してきました。その度に寂しい思いもしますが、お友達やお客様との出逢いは「一期一会」だという気持ちで大切にしています。

(BaySpo 2018/08/31号 掲載)

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