一般編  Vol.303
久保山 友李 さん
東京、奥沢出身、親の転勤で17歳の時クパチーノへ引っ越し、アメリカ、サンノゼ州立大学の美術学科卒業へ進学・卒業(SJSU A/I)。その後いくつかアメリカのIT・ゲーム会社でアニメーターをした後、現在Applovinというアドテック会社(主にモバイルマーケティング)で広告のアナリティクス&デザイナーとして勤務。昨年第一子を出産。
仕事は趣味の延長。世界との接点、 アイデンティティーの一部
17歳で両親の転勤を機に渡米後からずっとベイエリア生活という久保山さん。アニメーター、マーケッターとして活躍する傍ら、昨年に第一子を出産し母親としても日々充実した毎日を送る彼女に、ベイエリアの生活について伺いました。
久保山 友李 さん

(Kuboyama Yuri)BaySpo 1608号(2019/09/20)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 父親の転勤で2001年にクパチーノに引っ越しました。その後、進学、就職、結婚、がこちらだったのでそのままここにいます。サンノゼ、ペニンシュラ、サンフランシスコ、若干の引っ越しはありましたが2001年から今日までずっとベイエリアです。

ベイエリアの印象
 天気が良くカラッとしていて、一年を通してとても過ごしやすい気候が好きです。ITや医療の最先端の地域なだけに、常に最先端の技術や治療、サービスを受けれるのも魅力です。いろんな人種が海外から働きに来ているので、たくさんの文化と触れ合え、また、韓国、インド、スペイン、中国、いろんなスーパーがあるので自炊が好きな私にとっては色んな食材が安く手に入るのも楽しいです。

自分の専門分野について
 APPLOVINというアドテック会社で広告を解析&作成しています。モバゲーしてるとたまに出てきて、見ないと次に進めない、あの広告のデザインを作成してます。
その道に進むことになったきっかけ
 大学でBFAアニメーション・イラストレーションを専攻し、卒業後ゲーム会社で6年間アニメーターをしていましたが、前の会社でゲーム内のアニメーションに加えマーケティングのアニメーションもまかされており、それをきっかけにマーケティング専門のIT会社でアニメーションを作る仕事に興味を持ったことで今の会社に辿りつきました。

英語で仕事をするということ
 英語で生活することに不自由はありませんが、仕事となるとネイティブレベルに達するのは難しいです。対クライアントとのビジネスレベルの英語は文法が正しい以上のものが必要で、会社の信頼に関わるのでクライアントに送る文章は必ずマネージャーが見直しています。仕事で使う英語は今でも努力しなければいけない課題の一つです。

英語で失敗したエピソード
 細かな事がたくさんあり具体的には思い出せませんが、私の使える英語の表現が日本語に比べ少ないため、言い方がきつく聞こえたり、幼稚な印象を与えていると思います。

英語が100%ネイティブ
だったらどんな仕事に?
 おそらく同じ仕事についていると思いますが、もっと社内政治がうまくできる気がします。外人の枠からなかなか出られません。

あなたにとって仕事とは?
 趣味の延長。世界との接点、アイデンティティーの一部、でしょうか。技術的な事をしているので、仕事を通して常に学んでいる事が多く、学びの場でもあります。また、仕事があるから生活のメリハリができる気がします。

生まれて初めてなりたいと
思った職業
 小さい頃は当時の欲しいものに直結しており、ケーキ屋さん(ケーキをもっと食べたいから)、動物のお医者さん(猫を触りたいから)とかだった気がします。今でも料理やお菓子作りは好きですし、動物を見るとテンションが上がります。

いまの仕事に就いていなかったら
 日本では高校の選択が理系で、大学受験の志望は薬剤学部だったので、アメリカに引っ越していなかったら現役か浪人で薬剤師の資格をとって、それに関連した会社に勤務していたかもしれません。日本にいた頃は今の仕事は副業にしたいとは思っていましたが本業にできるとは思っていませんでした。

現在、住んでいる家
 昨年、第一子出産を期にサンマテオに引っ越しました。元々クパチーノに両親と引っ越しきましたが、その後進学や就職、婚約、結婚で、サンノゼ、レッドウッドシティー、マウンテンビュー、サニーベールと移り住みました。

休日の過ごし方
 休日は友人の家、または自宅に友人を招いて食事をしたりもしますが、普段の週末は家でのんびり過ごすことが多いです。食材の買い出しや、ヨガや運動をするのは週末が多いです。

好きな場所
 家の中ではリビングのソファーの上、外では適度に賑わってる落ち着いたカフェのソファー席。柔らかいものの上が好きですね。

よく利用する日本食レストラン
 自炊するのであまり外で日本食を食べませんが、サニーベールに住んでいた頃は焼き鳥GAKUにたまに行っていました。夕食が遅れ、かつ、作りたくない時に夜遅くまで開いてるので助かります。

1億円当たったとして、その使い道
 家のローンの返済の一部、でしょうか。ベイエリアは物価が高いので50億円くらい当たりたいですね。笑

最近日本に戻って驚いたこと
 タピオカが今更流行っていることに驚きました。でも美味しいので私も大好きです。美容院の質の高さと安さにはいつも驚きます。日本のファッションセンスは良くも悪くも驚きます。

日本に持って行くお土産
 だいたいギラデリのチョコレートの束をターゲットでいくつか買い、それに加えて何か日本で手に入りづらそうなものを考えて加えます。(トレジョのミルに入ったスパイスミックスとか、ブルーボトルとコラボしたTchoのチョコレートとか、フェリービルディングのオリーブオイルとか喜ばれました)こちらで買うと商品が裸なので、自分で適当な袋にお土産風に詰め直す事が多いです。時間がない時は空港のSee'sキャンディーズです。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 交通の便とお惣菜です。家の近くまで電車が通り、本数が多く、時間通りに運行して、駅前に日本のデパ地下が欲しいです。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 保険と医療費でしょうか。大きな病気をした時の医療費が不安です。

日本に郷愁を感じるとき
 主に魚を食べる時でしょうか。こちらのスーパーで購入したアジの干物がパサパサだった時に、脂ののった日本の魚が恋しく感じました。逆に以前ニジヤで空輸と書いてあった1匹5ドルの秋刀魚が、最高に高いと思いつつ、脂がのっててすごく美味しくて、それもまた日本を思い出しました。

お勧めの観光地
 SFの美術館や博物館巡りがお勧めです。デ・ヤング、リージョン・オブ・オナーはゴールデンゲート観光と一緒に、SFモマはSF市内観光と一緒に楽しめると思います。お酒が好きならナパのワイナリー巡りも楽しいです。買い物でしたら若干遠いですがSFプレミアムアウトレットはハイブランドが割引価格で手に入りお勧めです。

5年後の自分に期待すること
 子育てと仕事の両立に成功している事でしょうか。

最も印象に残っている本
 幼少期に読んだ本が特に印象に残っています。小学生低学年の時に読んだ『冒険者たち』や、『大どろぼうホッツェンプロッツ』シリーズ、『エルマーの大冒険』、『アラビアンナイト』などファンタジー系が特に好きでした。

最近観た映画
 『Tumbbad』インドのホラー映画で、映画まとめで知り鑑賞しました。モンスター系のホラーですが、良くまとまっていてホラー映画にしては内容も楽しめました。

座右の銘は?
 「NOかYESで迷った時はYESで。」出不精なのでついつい家にこもりガチなのですが、億劫、面倒だと思っても勤めて何かに関わることは大切だと思うので、大抵のオファーには気が乗らない時も可能な限り参加するようにしています。

(BaySpo 2019/09/20号 掲載)

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