一般編  Vol.338
田中 立さん
熊本県生まれ。日本で東京エレクトロンに勤務後、1992年にスタートアップに転職のためベイエリアに移住。ハードディスク企業などに長年勤めた後、昨年Diamond Foundry社に転職。趣味はランニング、車とワイン。妻と子ども2人の4人家族。
シリコンバレーをいつか 「ダイアモンドバレー」に
転職を機にベイエリアに渡米後、昨年新たなジャンルへと挑戦するため再度スタートアップに転職。精力的に活動する一方で、趣味はランニングとワイン、アウトドアとベイエリアならではの暮らしを謳歌する田中さんに、ここでの暮らしについて伺いました。
田中 立さん

(Tatsuru Tanaka)BaySpo 1664号(2020/10/16)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 30年以上前に出張でベイエリアを訪れて、すっかりこの土地が気に入ってしまいました。取引先だったサンタクララの会社がスピンアウトしてスタートアップを始めたのですが、そこの社長から「アメリカで働いてみないか?」と誘われ即座に「ぜひお願いします!」と答えていました。今考えると無謀でしたね(笑)。1992年の夏にベイエリアに引っ越して来ました。

ベイエリアの印象
 年間を通じて気候が素晴らしいですね。アウトドアが好きな私には最高です。そして、半導体、コンピューター、ソフトウェアなど、業種は変われど次々と新しいものを産み出して、世界の技術革新をリードし続ける特別な場所です。

自分の専門分野について
 あまり馴染みがないと思いますが、専門は超高真空の薄膜製造装置です。ハードディスク関連の製造装置をやって来ましたが、去年再びスタートアップに転職しました。プラズマリアクターという装置を使って、ラボ・グロウン・ダイヤモンド(Lab Grown Diamond)を創っております。現在は宝石用がメインですが、将来的にはダイアモンド・ウェハーを開発し、シリコンバレーがダイアモンドバレーと呼ばれるようになることを夢見て頑張っています。

その道に進むことになったきっかけ
 学生時代に卒業研究で半導体を作ったのですが、デバイス自体よりもその大がかりな製造装置に魅せられしまい、その関連の仕事に就きました。

英語で仕事をするということ
 英語だと語彙が少ないし、誤解を招きたく無いので簡潔でストレートな表現をしていると思います。また、言葉が不自由な分アイディアを可視化したり、データーを見やすくまとめる様な努力はしています。

英語で失敗したエピソード
 どこかのカスタマーサポートに電話したらアメリカ南部訛りの人が答えて、”What is your name?”との最初の質問を理解するのに10回くらい聞き直しました。「ネーム」が「ナイン」とか「ナイム」にしか聞こえなくて…。この人訛ってるな。」と思いましたが、きっと相手も同じこと思っていた事でしょう。

英語が100%ネイティブ
だったらどんな仕事に?
 英語圏以外の国に移住してるかも。ひねくれ者ですから。

あなたにとって仕事とは?
 以前はお金を稼いで家族を養うのと、社会で自分を認めてもらう手段だった気がします。現在ではとにかく人生を楽しく生きるためにする事と考えてます。残り少ない仕事人生、楽しみたいです。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 小学校5年生くらいの時に「感情のあるロボットを作る科学者になりたい。」と書いた記憶があります。

いまの仕事に就いていなかったら
 学生時代は当時の宇宙開発事業団も就職希望のリストに入っていました。

現在、住んでいる家
 キャンベルの一軒家に20年以上住んでいます。静かで安全なので気に入ってます。

乗っている車
 普段はFiat 500 Abarthに乗っています(もちろんマニュアル)。最近永年の夢だったクラシック(1972年式)のFiat 500Lをやっと手に入れることが出来ました。ルパン3世の車ですね。週末はこれに乗るのが現在一番の楽しみです。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 きっちり7〜8時間。午後10時すぎには眠くなり、午前6時前には自然と目が覚めます。5分くらい寝たかな、と思って起きると朝になっています。

休日の過ごし方
 早起きしてランニング。長い時は3〜4時間ほど山の中を走ったりしています。BAJRと言う日本人ランニングクラブの管理人をさせてもらったり、マラソン大会でペーサーのボランティアをやったりもしています。あとは安くて美味しいワインを探す事にはまってます。楽しく走って、美味しい料理とワインがあれば他には何も要りません。

好きな場所
 自分の足でしか行けない景色が綺麗な場所。例えば山の上にある湖など。苦労してたどり着いた分感動が大きい気がします。

最もお気に入りのレストラン
 素敵なレストランが多すぎて一つには決めかねます。週末は妻とワインバーやタパスのお店をいろいろと食べ歩いてます。

よく利用する日本食レストラン
 「アジト」、「炭家」、「レイチ」、「海太」など。またお店の中でゆっくり食べれる日が待ち遠しいです。

1億円当たったとして、その使い道
 とりあえず白いフェラーリ458イタリアを1台買って、後は古いフィアット、アウトビアンキ、アルファロメオ、ランチャなど一通り買い揃えたいです。

日本に戻る頻度
 年に1、2度だったのですが、最近は1年以上帰っていません。

最近日本に戻って驚いたこと
 平和でみんなが幸せそうなこと。でも、一番驚くべきは自分の感覚がかなりアメリカ人化している事でしょう。

日本に持って行くお土産
 今度日本に帰るときは、我が社のダイアモンドアクセサリーを母と姉たちにプレゼントしたいと考えています。自分たちが苦労して創ったものを誰かにプレゼント出来るって幸せなことですね。ベイエリアとワシントン州で創ったメイド・イン・アメリカです。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 アメリカで売っていないランニングシューズを見つけるとつい衝動買いしてしまいます。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 特に無いです。不自由を常と思えば不足なし、でしょうか。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 地震、カミナリ、火事、ホームレス問題。

日本に郷愁を感じるとき
 熊本に住んでいる年老いた母のことを思い出す時です。

お勧めの観光地
 我が社の工場があるワシントン州のWenatcheeと言うリンゴの名産地。氷河に覆われたカスケード山脈、その山々を映し出す湖、マウンテンゴートに出会えるトレイル、広大なコロンビア川、スキー場などが近くにあります。出張で2カ月ほど滞在しましたが、すごく楽しかったです。

永住したい都市
 ベイエリアに永住しつつ、年間の半分くらいは旅行するのが引退後の夢です。

5年後の自分に期待すること
 ダイヤモンドで大儲けして引退していたいです。いえ、絶対にそうなっているはずです。

最も印象に残っている本
 『Influence』 by Robert Cialdini. 日本語タイトルは『影響力の武器』。

最近読んだ本
 『井上陽水英訳詩集』ロバート・キャンベル箸

最も印象に残っている映画
 日本映画では『ルパン3世カリオストロの城』、アメリカでは『Forrest Gump』。

最近観た映画
『パラサイト 半地下の家族』

座右の銘は?
 人の一生は重荷を負うて坂道を行くがごとし。

(BaySpo 2020/10/16号 掲載)

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