一般編  Vol.108
鈴木麻衣子さん
横浜出身、国際基督教大学卒業、両親と兄弟2人。卒業後、正社員として2年間営業の仕事をした後、転職。派遣社員として日産自動車で海外商標を2年半担当。英語で法律関連の仕事をする面白さを知り、パラリーガルとしてのキャリアを確立するために留学。現在、ウエスト・バレー・カレッジのパラリーガル科に在籍しながら、アジアンローアライアンスと、サンタクララ地方検察局にてインターン中。
日系コミュニティーの向上にも役立つ国勢調査
パラリーガルを目指して留学した鈴木麻衣子さん。現在、インターン先の法律事務所で10年ぶりに行われたセンサス(米国国勢調査)への協力を、日系コミュニティーに向けて呼びかけるキャンペーン活動にも参加している。そんな鈴木さんにセンサスや暮らしぶりについて話を聞いた。
鈴木麻衣子さん

Asian Law Allianceインターン(Maiko Suzuki)BaySpo 1115号(2010/04/02)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ

 2008年にパラリーガルの資格をとるために渡米しました。現在、サラトガにあるウエスト・バレー・カレッジのパラリーガル科で勉強しながら、サンタクララ地方検察局とアジアンローアライアンスというサンノゼにある非営利の法律事務所でインターンをしています。アジア系住民をサポートするために設立されたこの事務所は、5人の常駐弁護士がわずかなサポートスタッフとともに日々業務を行っています。厚生給付、住宅法、移民法、家庭内暴力、公民権に関するリーガルサービスを行っているほか、コミュニティーエジュケーションプログラムやコミュニティオーガナイジングの地域活動を行っています。弁護士特有の近寄り難さがなく、各個人のことを一番に考えて、質問にも気軽に親身に答えてくれるからこそ、33年間も続いている事務所なのだと実感しています。

 そして、現在ここで、ちょうど10年に1度行われるセンサス(米国国勢調査)のキャンペーン活動にも参加させてもらうことができました。


センサスのキャンペーン活動ではどんなことを?

 ベイエリアに住む日本人の方たちに向けて、調査アンケートに協力してもらえるように呼びかけるキャンペーンです。アンケート票はもうお手元に届いていると思いますが、アメリカ在住者はそれに答えを書き込んで郵送することが義務づけられています。内容は、氏名、続柄、性別、年齢、生年月日、人種、家の所有状況等、ほんの10分程度で終えられるものになっています。情報は法律で厳守されます。必ず送られてきた英語のアンケート票に記入して返送してください。英語だと不安だという方には、オフィシャルウェブサイトに日本語ガイドもありますし、ヘルプデスク(408-292-8025)まで日本語でお電話を頂いてもかまいません。ヘルプデスクの営業時間は、月曜、水曜、金曜の午前9時半〜午前11時半です。回答が遅れると、調査員が最高6回まで自宅を訪問していいことになっており、私たち日本人のように海外で暮らしていて、言葉や生活に慣れていない場合は、調査員とのやりとりも大変ですし、知らない人が玄関先に来るのはとても怖いことだと思います。それを避けるためにも早めに回答を送ることお勧めします。また、ネットでの調査は行っていませんし、ソーシャルセキュリティー番号や、銀行口座番号を聞くこともありません。詐欺には十分注意してください。


センサスに協力するとどんなことが?

 様々な人種によって構成されるアメリカは、コミュニティー向上のための年間400億ドルという予算を、カウントされた人口に比率して分配することになっています。その分配されたお金は、学校やヘルスケア、交通機関等の向上に使用されます。また、例えば、ある人種の人口が法律で定められた基準に達した場合、その言語のサービスを公共で実施しなければならないというルールがあるなど、様々なベネフィットが実施されます。前回、2000年に実施された際には、日本人からの回答はほんのわずかで、きちんとカウントされていないのが明白でした。もっと人口は多いはずなので、日系コミュニティー、また皆さんが住んでいるコミュニティー全体の向上のためにも、まだ未回答の方は早めのご協力をお願いします。


専門分野について

 現在パラリーガル科で法律の基本的な部分から、実務的なことまで幅広く勉強しています。専門分野は「商標法」です。トレードマークは、その会社において誰からも見られる代表的な部分です。どうブランドを強化し確立しながら、権利を守っていくか、というところが面白いと思います。
 学校のパラリーガル科では今、たぶん日本人は私1人だと思いますが、クラスが小さいので先生への質問もしやすいです。先生が全てその分野での現役弁護士やパラリーガルなので、テキストをもとにするだけではなく、先生の経験を通して実質部分を教えてくれたり、どんな質問にも答えてくれる部分に満足してます。


日;本では?

 大学卒業後に、情報管理サービスの会社でコンサルティング営業の仕事をしまして、そのときに契約書関連の仕事を通してやはり法律が一番面白いと実感して、自動車メーカーに転職し、海外商標を2年半ほど担当しました。そこでさらに英語で法律に関わることの面白さを知り、留学することになったわけです。


その他の留学経験

 父の転勤で、10歳から16歳までをニューヨークで過ごしました。英語もわからないまま現地校に入学させられ、土曜は日本人補習校に通っていました。帰国後は、イギリスのケンブリッジ大学に短期留学をし、イギリス側から見た第二次世界大戦以降の政治経済を学びました。


英語を使うということ

 英語で仕事をするときは、ネイティブの考え方というか、ネイティブのプレゼンの順序で考えてコミュニケーションをとるようにしています。仕事上ではそれで結構うまく行きますが、普通の会話をしているときにはまだ、お疲れ様のような気の利いた言葉が思いつかなくてつまづいたりします。英語という言語ではないのですが、自分をうまく売り込めていないかもと思うことが多々あります。
 昔は英語ってずいぶんとキツイ表現をする言葉だと思っていましたが、それはニューヨークだけだったとカリフォルニアに来てから気づきました(笑)。例えば、「Yeah、right」っていう皮肉な表現がありますよね。あれがまさしくニューヨークっていう感じ!


英語で失敗したエピソード

 簡単な一言で様々な意味を含むFindで失敗しました。別の事務所で、Find the victimといわれたので、素直に実況見分を読んで被害者をリストアップしたら、そういう意味ではなく、実況見分を読み、リストアップし、被害者に直接コンタクトをとるということだと言われました。それ以降は、毎回指示をもらった後に、自分の言葉で「こういうことですね」と自分の理解したことを話して、合っているかどうか確認するようにしています。


あなたにとっての仕事とは?

 自分を成長させるもの。


生まれて初めてなりたいと思った職業

 お花屋さんです。


いまの仕事に就いていなかったら

 英語教師。日本では個人塾やIBMの子会社で英語を教えていたことがあります。


日本に戻る頻度

 一年に一度は必ず帰るようにしています。最近は6ヶ月に一度は帰っています。


最近日本に戻って驚いたこと

 全く建設開始されていなかったような場所に建物が建っていたこと。


日本に持って行くお土産

 カリフォルニア、または西海岸でしか手に入らないようなもの。日本では手に入らないもの、そして帰国子女には海外にいたときに好きだったようなもの。


日本からベイエリアに持って帰ってくるもの

 母に録ってもらったDVD、お菓子、日本食。


現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき

 交通手段が結局は車が一番便利なところ。バスやカルトレインがもっと使いやすくなるといいなと思います。

 あとは、海外ではよくあることですが、あまり友達と遊びに行くというような場所がないこと。知らないだけかもしれませんが…。

現在のベイエリア生活で不安に感じること

 雇用機会についてです。就職しても半年でレイオフされた、などの友達の話を聞くと不安になります。


日本に郷愁を感じるとき

 日本にいる家族や友達に会いたくなったとき。母の料理や、お寿司以外の日本食が食べたくなったとき。アメリカの医療機関に行ったり、保険会社との調整をするとき(笑)


お勧めの観光地

 穴場の観光地はハーフムーンベイ側のハイウェイ1号。太平洋とベイの両方が一度に見えます。私も友達に教えてもらったのですが、とても綺麗で感動しました。


永住したい都市

 アメリカならベイエリアが住みやすいですね。文化的にもニューヨークと日本のちょうど間くらいの感じがします。日本なら横浜です。


5年後の自分に期待すること

一個人として独立すること。




鈴木さんに5つの質問

休日の過ごし方は?
 彼とドライブに行ったり、家でゆっくりしたり、友達を呼んで遊んだりしています。

好きな場所は?
 横浜の桜木町です。ごみごみしていなくて、海が見えるところが好きです。ベイエリアではサンタクルーズが気に入っています。

お気に入りのレストラン
 サニーベールにある「Dish Dash」という地中海レストランや、ミツワ内のラーメン屋さん「山頭火」によく行きます。

1億円当たったとして、その使い道は?
 日本の家族に半分あげて、家購入、イタリア旅行、新車購入、そしてあとは貯金すると思います。

座右の銘は?
 在り来たりですが、「一期一会」。特にベイエリアに住むようになってから、人とのつながりの多方面での大切さを改めて知り、この言葉の深さと重さを実感しています。

(BaySpo 2010/04/02号 掲載)

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