一般編  Vol.233
岡本 和子さん
東京都出身。ベイエリアの果てFairfield在住。大学卒業後、料理講師を経てフードコーディネーターになる。ベイエリアのバドミントンサークルで主人と出会い結婚。2児の母であり、公務員の妻。2014年に夫婦で永住権を取得。現在、子育てのかたわら料理講師としての復帰に向けて準備中。
ヨントビルでおにぎりを
サンフランシスコでの留学を経て日本で就職、研修で再び訪れたベイエリアでご主人と出会い結婚。ナパに近いフェアフィールドに住む岡本さんに日々の暮らしぶりなどを伺いました。
岡本 和子さん

(Kazuko Okamoto)BaySpo 1492号(2017/06/30)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 ベイエリア生活のスタートはサンフランシスコでした。2004年に留学生としてシティ・カレッジ・オブ・サンフランシスコに入学しました。その後、日本の大学へ戻って卒業、就職。2010年に縁あってレストランマネージメントの研修生として再びベイエリアへ舞い戻って来ました。シリコンバレーでバドミントンをするサークルで主人と出会い、ビザ切れ寸前のところでプロポーズをしていただき結婚、今に至ります。

ベイエリアの印象
 「うわー! 世界中の人がここにいる!」。それまでにも、アメリカ中部、中国、オーストラリア、カナダと留学やホームステイをしましたが、ベイエリアでは世界中の人や文化に触れられるなと感じました。

自分の専門分野について
 フードコーディネーター、料理好きの主婦です。フードコーディネーターといっても、本や雑誌、テレビなどの仕事、企業での商品開発、レストランプロデュース、レシピ開発や食育、料理講師など様々な仕事がありますが、私の専門は『家庭料理』です。レシピを書いたり、料理の楽しさを伝えることを生業としています。惣菜、パン、ケーキ、和菓子を身近な食材で作ることが得意です。

その道に進むことになったきっかけ
 楽しそうに料理をする母の影響が強いと思います。一緒に住んでいた祖父母と両親が頻繁に人を家に招いていたので、常にホームパーティーをしているような環境で育ちました。とにかく食いしん坊で、中学生の時から趣味で食べたものを絵日記に描いていました。高校生の時にそれを本として出版することになり、本格的に料理を学ぶきっかけになりました。料理教室に就職したきっかけは、ネット検索でABC クッキングスタジオを偶然見つけたこと。問い合わせてからトントン拍子に進み、そのまま新卒で働くことになりました。たくさんの良縁に恵まれ、好きなことを続けていたら仕事になったという成り行きですね。

英語を使うということ
 今は子育てメインの生活ですが、その中でも「あ〜、日本語だったらもっと良いことを言えるのにー!」と、英語では言葉を選んで話さなくてはならないことにもどかしさを感じます。8月から現地校に通い始める長男と一緒に机を並べて勉強したい気持ちです(笑)。

英語で失敗したエピソード
 やっぱり発音ですね。近所の犬の名前が難しくて、2年経った今でも犬が振り向いてくれません。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 『The Galloping Gourmet(世界の料理ショー)』のグラハム・カーのように、ワイン片手にユーモアに富んだトークを交えて楽しくお料理を教えたいです!

生まれて初めてなりたいと思った職業
 お嫁さんです。お嫁さんになりたくて幼い頃から恋愛に一生懸命な女の子でした。他にも、10代後半から20代前半はやりたいことがたくさんありました。キャビンアテンダント、出版者、大学時代夢中になったアメリカンフットボールではプロのトレーナー、それから管理栄養士! やりたいことに前向きに全て挑戦しましたが、どれも仕事にはなりませんでした。

現在、住んでいる家
 2年前に購入したフェアフィールドの一戸建て。周りに日本人が少ないのが残念ですが、良いファーマーズマーケットがあり、ナパにも近くて、多様な人種の人が住み、学校や子育ての環境も恵まれています。これから日本人も増えていくと確信しています!

乗っている車
 TOYOTA Prius2013

休日の過ごし方
 家の修繕や庭仕事! と言いたいところですが、お天気が良いとどこかへ出かけずにはいられない家族なため、なかなか家がアップデートされません。「今週末こそ家庭菜園を作ろう!」と2年間言い続けています。時間に余裕のある休日の朝ごはんは和食と決めていて、朝から出汁を取り、貴重な和食材を使って料理を楽しみます。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 睡眠時間は7時間を目標にしていますが、なかなか達成できていません。朝5時55分に目覚ましをかけて、あと5分寝るという二度寝が日課です。

好きな場所
 あちらこちらどこも好きです。ベイエリアに住んで7年、いまだにカリフォルニアの豊かな自然に感動します。週末ドライブをしながら、こんなに天気が良くて自然が一杯のところに住めて幸せだね、と主人とよく話します。

最もお気に入りのレストラン
 モスランディングにある「Phil's Fish Market」。片道120マイル。それでもPhil'sのチョッピーノを食べるために足を運んでしまうんです。

よく利用する日本食レストラン
 「Muracci's Japanese Curry & Grill」。Muracci'sを越えるカレーには出会っていません。

1億円当たったとして、その使い道
 主人には長年の夢のキャンピングカー! 両家の両親を東京オリンピックに招待! 私にはキッチンのリモデル! 息子たちにはいつか世界を旅するための軍資金を用意!

最近日本に戻って驚いたこと
 目や耳に飛び込んでくる「情報」が多いこと。電車、バス、車、徒歩、どんな手段で移動していても、あらゆる情報が溢れかえっていますね。日本にいた時は普通に感じていたことですが、しばらく離れていると異様な感じがして、週末になると山に登る友人にも、「山に行く気持ちがわかるわ」と声をかけてしまいました。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 昆布、鰹節、干しシイタケの出汁の三種の神器、それと本です。本は子供達の絵本がほとんどですが、本屋さんで店員さんが勧める本を買うようにしています。興味のない分野でも読むきっかけがないだけかもしれませんから。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 環境、食、人種、どれもストレスを感じる話ばかり耳にして、大人の思考のネガティブさに不安を感じます。私が小学生の時、学校でよく「地球温暖化」についての作文を書かされ、それをとても味気ないものに感じていました。そんな時、宇宙飛行士の毛利衛さんが宇宙からのテレビ中継で「地球は本当に美しいです! 国境線は見えません」とおっしゃった言葉が今でも忘れられません。多くを語らなくとも、未来に前向きなメッセージを投げかけられる、そんな大人がたくさんいるベイエリアであって欲しいと切に願います。

お勧めの観光地
 ナパ近くのヨントビルです。とても小さな町で1日で観光できます。我が家のお気に入りはヨントビル・パーク。市内を一周するレトロな無料シャトルが出ているので子供達は大喜びです。世界的に有名なレストランを眺めながら、レジャーシートを敷いておにぎりを食べる「ヨントビルでおにぎりを」が我が家の定番。「Bouchon Bakery」のエピもパン好きにはたまらない美味しさです。

5年後の自分に期待すること
 健康で、料理の楽しさと食べることの喜びを多くの人に伝えていたいです!

最近読んだ本
 斎藤隆介の絵本『半日村』。リズムの良い語り口に、滝平二郎さんの印象的な版画。半日しか日が当たらない村に生まれた少年が一つの行動を起こします。その行動がたくさんの人に伝わり村は変わります。子供たちに読み聞かせながら、私も子供の時に読みたかった! と感じる1冊でした。

最も印象に残っている映画
 『タイタニック』です。3回映画館で観た唯一の映画です。高価な食器がバリバリと割れるシーンは私にとって何よりもホラーでした。

自分を動物にたとえると? なぜ?
 犬です。食べ過ぎてお腹が痛くなってしまう部類の大型犬でしょうか。人が好きなので飛びかかったりもする感じです。

座右の銘
 「なんでも楽しくやりなさい、楽しくなるから」明治生まれの祖母から20歳の時にもらった言葉です。何度もこの言葉に救われました。楽しいという気持ちは人を最強にさせると思います。

(BaySpo 2017/06/30号 掲載)

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