一般編  Vol.234
クレッグ・ヤマさん
1921年7月生まれ、加州サリナス育ちの日系アメリカ人二世。両親は広島県出身。大学生のときに日系人収容所へ送られ、戦時中は日米間の調査員として兵役を務める。戦後はナーサリー(園芸店)を営み、65歳で引退。現在は、サンノゼジャパンタウンで92歳になる妻と長男との3人暮らし。1952年に結婚した妻とは、今年結婚65年目を迎える。
子供や孫たちとの時間が大切
クレッグ・ヤマさんはサリナス生まれの日系アメリカ人二世で、大学生の時に日系人収容所に収監され、戦時中は日本で米軍の調査員、戦後はサリナスで長年園芸店を営んでおられました。今年で結婚65周年を迎えられるヤマさんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
クレッグ・ヤマさん

(Craig Yama)BaySpo 1494号(2017/07/14)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 日系アメリカ人二世として1921年にサリナスに生まれ育ちました。今年で96歳になりますが、歳をとってきたので、子供たちのファミリーが住んでいるマウンテンビューの近くに引っ越すことにして、数年前からサンノゼに住んでいます。

ベイエリアの印象
 サリナスは小さな町なので、週末の仏教会で人に会うくらいでしたが、今住んでいるサンノゼジャパンタウンでは通りに出ると行き交う人も多くいますし、いろいろなイベントがあってにぎやかです。

苗字について
 苗字の「ヤマ」というのは、実は元々の苗字「山下(Yamashita)」を短くしたものなんです。「Yamashita」だとスペルが長いので、法的に「Yama」にしました。アメリカでスペルを言うのが面倒だったので短くしてしまったのです。なので、クリスマスなどで親戚が集まると、ヤマシタさんとヤマさんが集まることになります。それから、日本に行くと珍しい苗字になってしまいましたね。

自分の専門分野について
 サリナスでは、5エーカーほどの敷地で、花の苗や樹木など園芸用品を扱う「Yama Nursery」というナーサリー(園芸店)を30年ほど営んでいました。引退した今でも、日本の大根など野菜を中心にベランダで家庭菜園を楽しんでいます。Green Thumb(園芸の才能を持つ人)ですよ!

その道に進むことになったきっかけ
 第二次世界大戦中に収監されていた、アリゾナ州のポストン日系人収容所(Poston War Relocation Center)から出て、戦後になってサリナスに戻ったときには仕事もなかったので、両親は食料品店を、私はナーサリー(園芸店)を始めました。私は土いじりや草花を育てるの好きだったので。

英語(日本語)で仕事をするということ
 日系二世なので、英語が母国語で日本語も少し話します。戦時中は日米間の調査員として日本に8カ月間勤務したこともあります。サリナスでは、日系の知人たちとは日本語まじりの英語で会話をしていました。

英語(日本語)で失敗したエピソード
 私の日本語は親から習った古い広島弁なので、今の日本の人たちには通じないことがあります。それが何だったか、すぐに思い出せんのですけど・・・。「アンポンタン」(間が抜けていてばかなこと、そういう人)とか「むすび」(おむすび、おにぎりのこと)とかでしょうかね?

生まれて初めてなりたいと思った職業
 生きていくのがやっとだったし、特にありませんでした。

いまの仕事に就いていなかったら
 う〜ん、考えたことがないですね。

現在、住んでいる家
 今は、サンノゼのジャパンタウンにあるコンドミニアムに妻 (92)と長男(62)と3人で生活しています。日系のスーパー、飲食店、仏教会や友愛会など、日系コミュニティや施設が整っていてとても暮らしやすいです。特にマウンテンビューに住む次男と長女にも近くなったので、毎週会うことができるのがありがたいです。

乗っている車
 数年前サンノゼへ引っ越してきた時までは運転していたのですが、迷子になってしまって以来、もう、運転はしていません。私の車、Acuraのセダンは、もうすぐ18歳になる孫の最初の車として譲りました。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 7時に起床して、夜9時は床につきますので、10時間は寝ている計算になりますね。

休日の過ごし方
 平日も休日も基本的には同じですが、週末にはファーマーズマーケットへ行くこと、子供や孫たちに会うのが楽しみです。

好きな場所
 魚釣りができるところなら、海、川、湖などなどどこでも。以前は、モントレーベイによく釣りに出かけていました。

よく利用する日本食レストラン
 近所にある「Gombei」や、「Sushi Maru」で、大好物の照り焼きビーフを注文します。

1億円当たったとして、
その使い道
 もうこの歳ですから、全額子供たちにあげます。モノやお金はもう何もいらないです。

日本に戻る頻度
 20年ほど前までは、数年に1度はいとこたちのいる広島などへ行っていましたが、歳をとったのでもう行けません。行ったとしても、もう知ってる人も少なくなりましたし。

お勧めの観光地
 うーん、どこでしょうか。以前は訪ねてくる方を、モントレーやカーメルに連れて行くことが多かったですね。17マイルドライブや水族館などの見所もあるし、ドライブしていて景色が美しいですし。

最も印象に残っている映画
 『Go for broke』*(1951年)です。
*邦題『二世部隊』。第二次世界大戦時に、ヨーロッパ戦線で多大な活躍をした日系二世で編成された第442連隊戦闘団の活躍を描いたアメリカ映画。監督脚本はロバート・ピロシュ、音楽はアルバート・コロンボが担当。主演の新任中隊長役は俳優のヴァン・ジョンソン、隊員役にはレーン・ナカノ、ジョージ・ミキなど、第442連隊戦闘団の元兵士たちが出演した。物語は日系二世の志願兵制度が許可された1943年、多くの若者たちが日系人収容所から集結。彼らは中尉(ジョンソン)の苛酷なしごきにもめげず、りっぱな兵士に成長し、イタリア戦線へと赴き数々の戦績を残す。

最近観た映画
 最近、映画は観てないですね。

自分を動物にたとえると? なぜ?
 そんなこと考えたことはないけど、犬でしょうか? 人が好きで、人に優しくするし、人と寄り添うのが好きだから。

5年後の自分に期待すること
 5年後ですか(笑)。今、96歳なので、5年後に自分がいたら、万々歳ですね。子供や孫たちと一緒にいられる時間を大切にして楽しみたいです。

(BaySpo 2017/07/14号 掲載)

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