一般編  Vol.249
河合良哉さん
1978年、愛知県豊橋市生まれ。楽器業界に属しているものの、入社当初からウェブ周辺のエンジニアリングを行う部門に配属され、それ以来10年以上もウェブに携わり、2016年1月にカリフォルニアへ転勤。まずは手持ちの芸を工夫して使って楽しみ、そして改良して、好奇心に任せて更なる芸を取り入れる、というのがプライベートでも仕事でも共通のスタイル。ベイエリアでは、美味しい肉の焼き方を極めるなどの料理全般、ワインを楽しむ、自然と戯れる、スキーで痩せるという芸を身につけ、今後も好奇心の赴くままに多くを吸収していく予定。
仕事も何でも美味しいベイエリア、 いただきます!
エンジニアとしてウェブの開発・構築に携わる傍ら、広い交友関係や料理、スポーツなどの趣味に忙しくも充実した日々を送るYamahaの河合さんに、ベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
河合良哉さん

(Ryoya Kawai)BaySpo 1527号(2018/03/02)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ、渡米した年
 直接のキッカケは人事異動です。2015年11月17〜18日、Mountain Viewで行われていたGoogle主催のウェブエンジニア向けのカンファレンスChrome Dev Summitに参加して、日本に帰国した翌日に上司に呼び出され「1月からシリコンバレーに行ってもらうことになったよ。がんばってね」と告知されたのが始まりでした。流石に帰国した直後だったし、1カ月先の事だったので少し長期の出張だと思い込んで、とっさに「1月って何かカンファレンスありましたっけ?」に似た内容の質問をしたような気がします。

ベイエリアの印象
 「ごった煮で何でもできるし、どれもが際立っていて楽しいエリア」。エンジニア出身の私にとって渡米前は「ベイエリア」というと「テック」というイメージが全てで、その他は特に想像すらしていませんでした。しかし、住んでみると都会(サンフランシスコ)も感じられる、トレイルが非常に豊富で自然も満喫できる、冬はウィンタースポーツが楽しめる場所まで数時間、ワイナリーも点在している、東に行けば太平洋で新鮮な魚介類も手に入る等、考えれば考えるほどいろいろ出てきますが、不思議とこれらすべてが個性を持ち、深く干渉することもなく、物理的に近すぎず遠すぎず、やろうと思えばスグに何でもできる場所で、なおかつ、気候もよいので気に入っています。料理に例えると乗ってるネタの数だけ楽しめる「海鮮丼」のような印象ですかね。

自分の専門分野について
 ウェブを使ったエンジニアリングが最も得意とする分野です。会員制ウェブサイトの開発から私のキャリアは始まり、会員属性を解析するシステムの構築、オンラインショップの構築を複数経験した後に、ウェブブラウザ上で音、楽器を扱う機能の仕様策定、普及啓蒙活動をウェブブラウザの標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)にて数年間行い、現在に至ります。

その道に進むことになったきっかけ
 1994年にインターネットに出会った時の衝撃がキッカケです。当時オハイオ州に交換留学中で、ホストファミリーの仕事柄からかインターネットに自宅からアクセスできる環境でした。右も左も分からなかったのですが、パソコン上でブラウザを使えば世界中の情報を椅子に座った状態で収集できる、というのに衝撃を受けました。そこから「発信するにはどうするの?」という疑問に発展し、時間だけは余裕がある学生だったので、思考錯誤しながら自然とオープンソースという考え方に出会い、そこでは恩恵ばかり受けていたので、今度はいつかはオープンソースで何かを提供する側になりたい、と漠然と夢を見ていたと思います。

英語で仕事をするということ
 所属先のオフィスでは英語を使う機会はあまりありませんが、英語に限らず日本語にもその土地独特の文化、考え方があると思っています。そして、それを表現する道具の1つが言語だと理解しています。ですのでその土地で使われている言語を使うということは、その土地の文化、考え方に触れる機会を拡げるという意味があるように思っています。ベイエリアを理解するにはもっと上達せねば…、と毎日思います。

英語で失敗したエピソード
 マイナス方向の核心をついた点だけをドドンと伝えたのが失敗の原因でした。悪意はないのですが、気になったことをそのまま口に出してしまうことがあるようで、このときは口にしたことがまさに核心をついてしまったみたいです。日本語であれば空気を読んで(読めれば)ごまかすこともできるのですが、英語だったので上手にごまかすこともできず…。コミュニケーションって難しいですね。

英語が100%ネイティブだったらどんな仕事に?
 難しい質問ですね。転勤してから奥行きのある味を持つ日本食が妙に恋しくなるのですが、外食ではなかなか満足できず、その結果「食べたい日本食は作ってみる」というエンジニア的な行動が定着しています。質問の背景を考えると、日本での生活が少ないことが想像され、すると日本食の美味しさを理解できる舌が育っていない可能性があるので…。英語が100%ネイティブというのは何となく考えたくないです(笑)。英語を話すのも舌、味を感じるのも舌ですが、今は「味を感じる舌」を大切にしたい想いでいっぱいです。

休日の過ごし方
 単身での赴任ということもあり、週末はTahoeにいることが多いです。
 Tahoeでは6〜10月はマウンテンバイク(ダウンヒル)、12〜3月はスキーをしています。それ以外は近くのトレイルにウォーキングに行ったり、Half Moon Bayで蟹を買ってきて蒸したり、Millbraeにあるお肉屋さん Pape Meatの肉を焼いて食べたり、ワインを飲んだり、キッチンドリンカーしていますかね。肉は何枚焼いたか分からないくらい焼いていますよ(笑)。あとたまにはワイナリーにも行きます。

1億円当たったとして、その使い道
 ファーストクラスで羽田とサンフランシスコを往復してみようかなと思います。4倍くらいあればベイエリアに家を買うでしょう。

日本に持って行くお土産
 ワイン、チョコレート系のお菓子(barkTHINSやLINDORが定番です)

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 コンソメ(キューブ型)、砂糖、から揚げ粉、ウスターソース、クリアクリーン(歯磨き粉)。食べ物が多いですね(笑)。

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 ベイエリア特有ではないのですがトイレの数が少なくて不便に感じます。ゴミ箱をトイレに化かして欲しいです。それから長ネギがほしいです。

お勧めの観光地
 カリフォルニア州ではやっぱりTahoeのNorthstar California Resortです(笑)。州外ですと、アリゾナ州とユタ州の境にある「Antelope Canyon」です。2018年1月に家族でアリゾナ州フェニックスを起点終点として車を運転して訪ねました。「Antelope Canyon」は素晴らしく幻想的な空間に入ることができます。また道中ベイエリアに住んでいるとそこまで感じる機会が多くないアメリカの広大さも感じることができます。

5年後の自分に期待すること
 心身共に健康でいることが第一で、そして自分の持つ能力を少しでも社会に貢献できる生き方をしていて欲しいです。また普段の活動においては、物理的にも心身的にもフットワークが軽く、好奇心旺盛で、変わることを恐れない気質は維持していて欲しいです。

最近読んだ本
 正確には読んでいる本ですが『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』を読んでいます。優しい英語で歴史が書かれていて日本語訳も併記してあるので、英語とアメリカの歴史が一度に勉強にできてとても良いと思います。「こう書くと小学校ぽいのか…」と痛感することもあります。

最も印象に残っている映画
 『Back to the Future』。その時代に実在する車とか機関車をハックしてタイムマシンにしてしまうエンジニア魂への共感、未来・過去を自分の目で見て体験することで好奇心を満たす、しかしその反面大きなリスクと隣合わせなスリル感が大好きです。そして最終話3作目の最後にドクの「未来は自分で作るものだ」という裏付けがあってのコメントで、納得感しかありません。大好きです。

最もお気に入りのレストラン
 Fisherman's Wharfにあるおいしいシーフードの「Scoma's Restaurant」です。ハンバーガーは「The Habit Burger Grill」がお気に入りです。

(BaySpo 2018/03/02号 掲載)

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