一般編  Vol.352
竹本 恵子さん
埼玉県出身、尾道、京都を経て、シリコンバレーに。男児1児の母。オンラインと対面の足もみ、体温を1℃上げる足もみセルフケア『若石足療ツキトタネ』主宰。ドリカム、道端の野草、発酵、焚き火好き。時々かぎ針編み、シュタイナーに興味あり。
自分の健康を自分で守る大切さを伝えたい
とある出会いをきっかけに「足もみ」の世界に触れ、現在は台湾式足もみの若石健康法を伝える活動をしている竹本さん。「今世の最終日までしっかり自分の足で歩いて迎える人を増やしたい」と語る彼女にここでの暮らしについて伺いました。
竹本 恵子さん

(Takemoto Keiko)BaySpo 1692号(2021/04/30)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 2019年、夫の仕事の関係で、駐在家族として渡米しました。海外駐在は想定の範囲ではあったのですが、京都に引越して1年と少しの時期だったので、もう少し京都市民も味わいたかったな、というのもあります。

ベイエリアの印象
 ベイエリアという以前にカリフォルニアのイメージが、常に温かく、ビーチでサングラスをして日光浴というものだったので、こちらに来てハーフムーンベイに出かけたときの寒さに驚きました。日常生活としては日本食材スーパーで麹やレンコンが買えるなど、食生活への影響が少なめなこと、オーガニック食材が手に入りやすいこと、またインド食材や中近東食材なども手に入りやすく、本場の味が楽しめて、好奇心がくすぐられています。

自分の専門分野について
 現在は台湾式足もみの若石健康法(じゃくせきけんこうほう)をお伝えしています。副作用のない足をもむだけの自然物理療法です。自分の健康は自分で守る、今世の最終日までしっかり自分の足で歩いて迎える、そんな人を増やしたいと思っています。

その道に進むことになったきっかけ
 とあるイベントでこの足もみを体験し、その際にのちの師匠となる方の放った「一家に一人足もみ家がいるのがいいです」と言われたことがきっかけとなり、その時は女性のためのコミュニティースペースを運営していたので、その方をお呼びして足もみ教室を開き、お伝えいただきました。家族の誰かに不調が表れても慌てることなく、まずは手当てができること、とその手当てがどう効くのか、が分かることが楽しいです。

英語で仕事をするということ
 身体や感覚の話をするのはとても難しいですが、たくさんのたとえ話でお伝えすることで語彙力をカバーする日々です。子どもの学校で手芸サークルやボランティアに参加すると、どこの国のお母さんも考えていること、悩みのポイントは同じだなと思います。英語を使うことはなんとなく、歌を歌う感じのような気がしていて、日本語を話すときには身体は極端な話、直立不動でもよいですが、英語になると身振り手振りが大きくなるのは、リズムのせいではないかと感じています。

英語で失敗したエピソード
 電子レンジのことを言いたかったのに、tidal wave(津波)と言ってしまったり、という単語の言い間違いもあれば、理解したつもり、分かったふり、をしたら、全然内容が違っていて、そもそものところで勘違いしていました、と謝ったこともあります。でも母国語でないことを理解してくれる環境であるので、失敗と感じるほどでもないことがありがたいです。

あなたにとって仕事とは?
 自分と世界をつなぐ、綱のようなものでしょうか。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 スイミングのコーチ。その後は水泳のオリンピック選手と思っていましたから単純ですね。大人になっても一番怪我の少ないスポーツが水泳と言われているのでやっていてよかったと思います

いまの仕事に就いていなかったら
 仕事も1つではないと思っているので、来年は足もみとまた他のことも同時進行していると思います。

現在、住んでいる家
 100世帯くらいある集合住宅。共用のバーベキューコンロで焼く、豚バラをごま油と塩でいただくのが美味しくて好きでしたが、コロナの影響で使用できなくなり残念です。

睡眠時間・起床時間・就寝時間
 朝5時半起床 お弁当を作ります。22時就寝目標。子どもがオンラインの英語レッスンを受けている朝30分、天気に合わせて朝陽を浴びに散歩します。最低7時間は寝ます。

休日の過ごし方
 家族でキャッチボール、ファーマーズマーケットで買い物。とにかく外出して外の空気を浴びたいと思っています。

好きな場所
 マウンテンビューのファーマーズマーケット。ここは週一回現れる、私のパワースポットのように感じています。Palo Alto Baylands Nature Preserve Trailhead。水がある平らな広大なウォーキングコースでとても気に入っています。たくさんの種類の鳥が季節ごとに来るのも楽しみの一つですが、自分の状態によって、鳥の鳴き声が心地よくない時もあります。

最もお気に入りのレストラン
 マウンテンビュー、カストロストリートのCrapevine。Cucumber sauceのプレートがあったりして、日本では見ない素材やソースや調味料などメニューを見るときから楽しいレストランです。

1億円当たったとして、その使い道
 とある離島に作りたいと思っているシェアハウスの物件購入と修繕費。航路を移動するための船舶1級の免許取得と船の購入費。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 本、クッキーの型、足もみの棒、乾物(わかめや海苔、ひじきなどの海藻は絶対!)

現在のベイエリア生活で、不便を感じるとき
 徒歩でも買い物に行けるので、特にないです。

現在のベイエリア生活で不安に感じること
 子どもの外遊びや人とのふれあい不足でしょうか。リトルリーグに参加予定が、コロナの影響で開会式と1回の練習のみとなってしまいました。

日本に郷愁を感じるとき
 浅い浴槽にお湯をためていると温泉が恋しくなります。

5年後の自分に期待すること
 なんでも笑顔で話を聞いてくれる年を重ねたおばあさんのような大らかな心の持ち主になっていますように。

最も印象に残っている本
 養老孟司『逆さメガネ』今起きている事象などをさかさまに見ると…。納得することばかりでした。

最近読んだ本
『日々是好日』映画の予告編をどこかで見て、読みました。茶道や日本の季節の空気感があふれて湿り気を感じる雰囲気がよかったです。またこの本を読んだ直後に、お茶の体験をする機会を得て引き寄せかも、と思いました。

最も印象に残っている映画
 『マグノリアの花たち(Steel Magnolias)』80年代のアメリカ南部が舞台の映画ですが、高校の同級生と一緒に20代のときに鑑賞して、みんなで号泣したあと瞬時に思わず吹き出してしまった映画のワンシーンと友達といた部屋の雰囲気が忘れられません。

最近観た映画
 『Letters to Juliet』ずっと昔に書かれた手紙に返事をするところから始まる物語で、人生は1度きり、遅すぎることはない、と改めて感じるストーリーでした。

自分を動物にたとえると?なぜ?
 「マグロ」寝たまま泳いでいる感じが自分そのものかと。

座右の銘は?
 「元気があれば何でもできる」、「死ぬこと以外かすり傷」

(BaySpo 2021/04/30号 掲載)

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