「がんサポートグループ」を立ち上げたきっかけは?
友愛会として、がんはとても難しいトピックだと考えていました。しかし、がんに苦しむ高齢者がとても多いことを学び、その介護者としての訓練を受け、がんと診断された高齢者をどのようにサポートしていけるかをこれまで考えてきました。医療としてではなく、介護としてのがん患者との向き合い方を学び、今年の2月に日系社会に暮らす患者を対象に日英両語でフォーラムを開きました。トピックに精通した医者を招いて、日系社会に的を絞った説明をしてもらったこともあり、フォーラムは大きな反響がありました。その後、日本語でがんに関するサポートグループが北カリフォルニアにないことが分かりました。そこで、ライセンスセラピストの山下みおさん(CA公認臨床心理士)と、乳がんサバイバーのエドワード聖子さんによる「がんサポートグループ」を日本語で始めることになったのです。
「がんサポートグループ」の目的は?
日本では肺がん、結腸癌、前立腺癌、乳がん、直腸癌の患者が多いです。日本人が米国に来て、決して良いとは言えない西洋文化の生活習慣に順応すると、日本人女性の間では特に乳がんが、男性では前立腺がんを発症する人が増えています。こういった現実を真っ正面から伝えることが重要だと感じました。患者やその介護者が集まり、体験談や情報などをシェアし、同時にお互いを勇気づけることが目的です。異国で英語をうまく話せないことで寂しいと感じることに加え、しかも、がんと闘っているとしたらさらなる孤独感を感じるかもしれません。グループに参加することで、それらの孤独感を緩和し、がん体験を語りシェアすることで自分自身を支えるきっかけになってほしいと願っています。
友愛会で働き始め1年半ということですが?
これまで日系コミュニティで働いたことがなかったのと、日本語を学ぶうえで私は決して優等生ではありませんでした。ということで、このような仕事をするとは思ってもみなかった。仕事を通して、多くのすばらしい人たちに出会えたこと、多くの高齢者と関わり学ぶこと、得たことはとても多いです。日本語を使うことはチャレンジですが、少しずつ学び、慣れていけたらと思ってます。友愛会のスタッフは皆優秀で、高齢者のために何をすべきかを本当に理解していて、私も仕事をするうえでありがたいと思っています。理事会も熱心な理事が多く本当に恵まれています。それに加え、私のポジションはサンノゼ日本町の一部であり、カリフォルニア州の日系団体の一部でもあります。サンノゼ日本町の繁栄も常に意識してますので、多方面の方々から頼りにされたりと、日系コミュニティの代表としての責任もある仕事です。
日本語学校に通ったそうですが?
子供のころ、ロサンゼルスのパサディナ学園に行きました。土曜日の朝の授業をとっていましたが、だめでしたね。金曜日の夜に漢字の勉強をして、土曜日の午後には全て忘れていました(笑)。家では父は英語を、母は日本語を話してくれました。両親は私にバイリンガルになってほしいと願っていました。今は少しだけ話せます。トラブルに巻き込まれそうな日本語は話せますが、トラブルを抜け出せるような日本語は話せません(笑)。
ベイエリアに住むきっかけ?
子供のころ育ったロサンゼルスは、ハリウッドの気質が高く、通勤時間も長いこともあり私の気質には合いませんでした。ベイエリアで夫のポールに出会ったことが大きいです。自然保護への関心として、ロサンゼルスでも最近高まってきましたが、ベイエリアでは古くからあり、その関心はより高まっています。そんなところが好きです。
家族構成とベイエリアでの生活は?
シリコンバレーの一般的な家族です。夫はスタートアップ会社で働き、17歳になる養子と9歳の息子がいます。仕事と家族に挟まれ忙しい日々を送っています。9歳の息子は、サンノゼ日本町にある「すずめの学校」の3週間のサマーキャンプなどで日本語、日本文化、お米の炊き方などを学んでます。今年の夏は、カリフォルニアロールや私の知らないみそ汁の作り方を学んできました。息子の公立学校の資金集めなどのお母さんの活動もしています。
子供のころになりたかった職業?
ナイチンゲールのナース像に憧れ、人を助けることがしたいといつも思っていました。高校生のときに看護アシスタントの資格を取得し、ボランティアを沢山やりましたが、結局ナースにはなりませんでした。でも、私の中のどこかで人助けをしたいという気持ちはいつもありました。高校生のときに3ヶ月半、短期交換留学でフィンランドの牧場で生活しました。ジャガイモの掘り起こしや水のくみ上げなど、ロサンゼルスでは決して体験できないことが多くありました。そして自然の大切さと厳しさも学びました。その体験で世界的視野が広がり、新聞記者や外交官にもなりたいと思ったこともあります。
好きな場所は?
家族のいるところです。場所というよりも「誰と一緒にいるか」ですね。観光地ですと、歴史があるヨセミテ国立公園の山ですね。私が卒業したカリフォルニア大バークレー校のキャンパスも特色があっていい場所です。ハイウェイ1のコーストラインもいいです。各ビーチもそれぞれの特徴があって楽しいです。ベイエリアは1時間で山へ、1時間でビーチにアクセスできるところがいいですね。
日本食レストランは?
カレーライスが大好きで、カレーライスのあるレストランです。
本にはよく行きますか?
頻繁に行きたいと思いますが、時間がありません。親戚が京都、東京、大阪、横浜にいます。子供を連れて行きたいですね。
日本からのお土産は?
京都の八つ橋や日本の布や織物です。他の文化ではあまり見られない、日本の自然をモチーフにしたデザインがとても好きです。
1億円当たったとして、その使い道?
生活するうえで必要最低限のものがあれば、財団を設立してさまざまなコミュニティを支援する活動を違った形で続けたいです。
5年後の自分に期待すること?
友愛会で働いているかいないかに関わらず、コミュニティでの活動を続けていたいです。
座右の銘は?
アインシュタインの「Try not to be a person of success. Be a person of value.」です。何を持っているかではなく、目的を持って社会貢献をしているかです。子供にも教えていますが、良い考えを持ち、それが言葉となり、そして行動になる。良い考えが、よい行動になるということです。
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■インタビューを終えて
高齢者のための福祉活動に力を注いでいる「友愛会」の運営管理だけでなく、新しい試みにも積極的にチャレンジしている堀内さん。現在は「高齢者」という枠のコミュニティを中心に活動中ですが、我々一般市民が安全に暮らすうえで、大切となってくる健全なコミュニティ作りを常に考えていらっしゃる姿に感銘を受けました。堀内さんや他のコミュニティリーダーが企画するサンノゼ日本町の文化活動にぜひ参加してみて下さい。