一般編  Vol.158
木蔵 シャフェ 君子さん
 岡山県出身。国際基督教大学(ICU)を卒業後、金融関係会社に勤務。1991年、当時女性としては珍しいMBAをボストン大学経営大学院で取得。後、日本に戻り、ブランドのマーケティング分野で国際的企業のシニアマネジャーとして、クレアラシル、薬用石鹸ミューズ、化粧品ブランドなどを担当。同時に長年心理学の研究を続け、2000年に渡米。現在はカウンセリングとコミュニケーション・トレーニングを行うKEY Instituteを興し、日本ではNLPメディックスジャパンの活動名で多くの医療・教育関係者、ビジネスマンなどの指導を行う。ビジネスと心の分野、日本とアメリカの異文化の橋渡し、心身の健康と喜びを手に入れる手助けをすることを目指している。
ビジネスと心、 日本とアメリカの橋渡し
 MBAを取得し、日本の外資系企業でビジネスウーマンとして活躍されると同時に、心理学の研究を続け2000年に渡米。現在はKEY Instituteを経営し、医療・教育関係者、ビジネスマンなどの指導を行う木蔵さんにベイエリアでの暮らしぶりを伺いました。
木蔵 シャフェ 君子さん

(Kimiko Bokura - Shafé)BaySpo 1295号(2013/09/20)掲載

ベイエリアに住むことになったきっかけ
 2000年、ミレニアムの年に東京の外資系企業を辞めて、サンタクルーズに住み始めました。この町に来るきっかけはメンターとなってくださったセラピストとの出会いがきっかけでした。当時、東京の外資系化粧品会社でブランドマーケティングの仕事をしていたのですが、子どもの時から心理学が好きで、休みを取ってマリン・カウンティの催眠療法のワークショップに参加した際に、たまたまサンタクルーズから来た優秀なセラピストと出会いました。その後、彼女のクリニック「Advanced Health Resources」でインターンとして修業をさせてほしい、と思い切ってお願いしたところ快く受け入れていただいて、東京での企業戦士としての仕事を去ることになったのです。当初は「1年ちょっと修行を積んで、日本に戻って開業しよう」という予定だったのですが、さまざまなご縁と、ベイエリアでの素敵なライフスタイルのおかげでそのまま居残りました(笑)

ベイエリアの印象
 時間、空間、自然、学問、スピリチュアリティ、産業、どれもが豊かに、ふんだんにある。日本と比べてそう感じました。また、サンタクルーズは特に「なんでもあり」で、体中を緑色に塗った人とか、全身ピンクの洋服の人とか普通に歩いていても、皆さん気にも留めないのです。「自分が居たいように居ればいい」という、自由さは素晴らしいと感じました。これらの初期の印象は13年住んだ今でも変わらないですね。

自分の専門分野について
 現在KEY Institute LLCという会社を母体に、日本とアメリカでのセミナー運営、講師、コーチングを行っています。日本ではNLPメディックスジャパンという団体を運営し、医療・教育関係者向けのコミュニケーションセミナーを年間約20回ほど運営しています。私自身は、講師として教えたり、運営・経営者としてスタッフや講師の先生のマネージメントやセミナー・イベントのマーケティングなど行っています。活動のほとんどが日本ですので、年のうち3分の1は日本、毎年1回はヨーロッパへ行きます。残りはベイエリアで遠隔操作、またはさまざまな準備の日々です。お陰様で、医療コミュニケーションというユニークな取り組みが認められ、「Innovations in NLP」(Crown House Publishing)、日本では「NLPイノベーション」(春秋社)という本で紹介していただきました。

その道に進むことになったきっかけ
 中学校に入ってすぐのころから、心理学関係の本を読むことが好きでした。同時に、男女雇用均等法前の世代なので「女性として企業で活躍し認められること」にもこだわりを持っていたんです。そこで、国際基督教大学を卒業した後、保険会社に勤めながらMBA取得のために貯金に励みました。今でいう「超節約生活」でしたが、全く苦になりませんでしたね(笑)。そして無事にボストン大学ビジネススクールで1991年にMBAを取得し、女性として企業で活躍したいという思いで日本に戻り、P&GやLVMHに勤務。P&Gでは「クレアラシル」で一躍有名になった広末涼子ちゃんを発掘したり、LVMHでは化粧品の「ゲラン」のブランドマーケティングを担当しました。そんな忙しい日々を送りながらも、本を読んだり、休みごとにアメリカで心理学系のワークショップに参加したりと心理・自己啓発系の勉強を継続していました。その中で「カウンセラーやセラピストになり、よりよく人が生きられるお手伝いをしたい」という思いが強くなってきて、2000年のサンタクルーズ移住となったわけです。

英語で仕事をするということ
 1991年に日本のP&Gに入社して以来、仕事の書類、会議など英語で行うことがメインになりました。さらに、ヒプノセラピー・コーチングでは、全て英語のセッションも多々あり、海外講師が日本でセミナーを行う際の通訳も務めています。20年以上英語で仕事をしているので、今ではあまりそれ自体については考えないですね。もちろん、今でもわからない単語はたくさんありますが、日本とアメリカの橋渡し役である以上、英語と日本語両方で仕事ができるということは、私にとってとても重要な仕事の一部です。

英語で失敗したエピソード 
 「失敗して当たり前」、「完ぺきな英語は目指さずとも、良いコミュニケーションは成立する」という大変便利な信念があるので、記憶にありません(笑)。

生まれて初めてなりたいと思った職業
 子供のころ「アテンションプリーズ」というスチュワーデスがヒロインのTV番組があり、スチュワーデスになっていろんな国へ行ってみたいと思いました。

いまの仕事に就いていなかったら
 日本の外資系企業でマーケティングの仕事を続けていたかも・・・。

現在、住んでいる家 
 サンタクルーズにあるビーチ近くの4ベッドルーム、2.5バスルームの家です。3階が自宅オフィスになっており、そこから海が見えます。週末はサンタクルーズの郊外アプトスにある4ベッドルーム、4バスルームの別荘で過ごします。

休日の過ごし方
 サンタクルーズの郊外にある別荘で、日中はブドウ畑の世話や近くでハイキング、読書などを過ごし、夜は月を見ながらジャクジー・・・と言いつつ、ところどころスカイプでのミーティングや仕事が入っています。

好きな場所
 サンタクルーズのレッドウッドの森にあるチベット系のお寺「Land of Medicine Buddha」。サンフランシスコ 禅センター所有のアメリカ初の禅寺「Tassajara Zen Mountain Center」には温泉がついています。また、近所のビーチも気に入っています。

よく利用する日本食レストラン 
 サンタクルーズの「Shogun」というお寿司屋さん。気軽に新鮮なお寿司をいただきに行きます。

日本に戻る頻度
 仕事で年4〜5回。年間合計3〜4カ月は日本に滞在しています。

最近日本に戻って驚いたこと
 「女性の職場での活用」、「女性管理職を増やすには」という議論がとても多くマスコミなどから聞かれるようになりました。大変良い傾向で、弊社でも働く女性のサポートに力を入れていきたいと思っています。

日本からベイエリアに持って帰ってくるもの
 美味しいお醤油、1杯用ドリップ式コーヒー、本(たくさん!)など。

日本に郷愁を感じるとき
 年に4〜5回も帰っており、毎回家族に会っていますので、郷愁というのはあまりないです。日本に住んでいるときよりも一緒に過ごせる頻度が高いので、大変ありがたいです。

永住したい都市
 やっぱりサンタクルーズを拠点にしたいです。そこを拠点に、あとバリとか、南フランスとか、ハワイとか(笑)。

5年後の自分に期待すること
 「働く女性がより幸せにいきいきと」なるお手伝いのノウハウを構築し、5年後には成果を出せるようになりたいです。そのために、いっそう素敵な人たちとつながっていられることを願っています。

最近読んだ本
 いっぱいあります。いくつか挙げると、南場智子さん『不格好経営』、林真理子さん『野心のすすめ』、本田直之さん『レバレッジ時間術』、『レバレッジ・シンキング』、Chade-Meng Tan『Search Inside Yourself』、島田陽子さん『島田陽子スタイル』・・・見事にばらばら(笑)。

最近観た映画
 ドキュメンタリー映画が好きで『Happy』という映画を見ました。「幸せの条件とは」をテーマに、貧しい人、裕福な人、美しい顔を事故で失った人などにインタビューしていくのですが、大変興味深かったです。

自分を動物にたとえると
 空飛ぶうさぎ。うさぎ年生まれでうさぎは平和主義の干支らしいです。そして、世界中をぱたぱた飛び回っていろんなメッセージを届けているから。

座右の銘
 「生きることは学ぶこと」。弊社のコピーでもあります。あと、「This too shall pass.」一瞬一瞬、命ある時を大切に。また大変な時もまた過ぎ去る。

(BaySpo 2013/09/20号 掲載)

▲Topに戻る

有澤保険事務所

自動車保険をはじめ、火災保険、アンブレラ、ビジネス保険、労災保険、生命保険、健康保険などを取り扱う総合保険会社です。Farmers
Insurance、Blue Cross等のエージェントであり、日本語できめ細やかな安心のサービスを提供しています。

有澤保険事務所
2695 Moorpark Ave, Ste 101, San Jose, CA, 95128
http://www.arisawaagency.com

有澤保険事務所
(408) 449-4808
No Reproduction or republication without written permission
Copyright © BAYSPO, Inter-Pacific Publications, Inc. All Rights Reserved.